翌日、
紺はあまり眠れないまま朝を迎えた。
いつもの時間に起きて、顔を洗って、
朝食をとって、歯を磨く。
平凡な習慣なのだが、今日は違った 。
何度も昨日のことを思い出してしまうのだ。
思い出して、顔が熱を持つ、
と同時に下半身も反応していた。
「 なん、で … ?? 」
疑問しか浮かばず戸惑う。
震える手を隠すように反対の手で握る。
がしかしこのまま学校に行けるはずもなく、
自宅のトイレに駆け込んだ。
「 意味、 わからない 、 」
トイレの便座に座れば少しだけパジャマのズボンを押し上げるようになっている自身に少し嫌悪を覚えるも、
ドクリドクリと下半身が脈打つのが分かり、
無意識のうちに自身を片手で弄んでいた。
「 ふ、 ぅ… ンンッ 、 」
リビングには母親がいる為声は出せない、
パジャマの上着の裾を噛み締め声を殺す。
「 は、ァ ッ …ン、くッ 、」
心地のよい快楽が体を駆けるのがわかる。
ビリビリと脳天を刺激されるような感覚に襲われ体がビクビクと跳ねる。
「 っぁ、 も、… ッッッ ンッ !! 」
5分も経たないうちに射精をしてしまった。
しかも、あの噂の権化である片瀬隆斗と女子生徒の情事をオカズに。
悔しさと恥ずかしさ、自分への嫌悪感に思わず涙をホロりと零した。
「 は、 … 意味わかんない 、 」
涙を拭えば綺麗に処理をして立ち上がれば洗面所へ行き手を綺麗に洗う。
次いでに 顔も、洗う 。
「 切り替え、 ないと 」
自分に言い聞かせるように一言呟いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!