第6話

鬱々
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2017/12/14 04:22


場所は変わって 学校。

生徒の声がする廊下を紺は鬱々しい気持ちになりながらゆっくりとした足取りで歩く。


すると 、 向こう側から 、



「 えー… かなちゃん やばっ、 」



「 へへん、 でっしょ ~ !!」



女4人と楽しそうな会話が聞こえる。


声の主は 噂の権化 片瀬隆斗 と その他女子。



「 ( あー 、 厄介 ) 」



口にはださず心で呟けば何も無かった様に装い直ぐ隣を通り抜けようと足速に歩く。





「 ねぇ、 キミ 。 」




ガシッ 、



そんな効果音が付きそうなぐらいにがっしりと捕まれ、驚きの余り肩がビクリと跳ねる。





「 ッ え、 」





やってしまった、頭がフリーズして、
口を金魚のようにパクパクと開け閉めするようすは滑稽だろう。




「 後で 話あるから 、 空き教室…ね? 」




「 はい ……… ?? 」




後で空き教室に来いと隆斗に言われた紺はこれまた素っ頓狂な声を上げて相手を見やる。




其の様子をみた 隆斗は ぷふっと わらった。




「 逃げたら 、 許さないよ 。 」




耳元に顔が急に寄せられ低い声が耳中に谺響する。



「 ッ ひ、 」




ふいに チュッと 耳に口付けられ思わず顔を背ける。




「 か ~ わい。 」




ニヤリと笑う隆斗、
息を詰まらせて顔を真っ赤にする紺。

しばらくの沈黙の後、




「 隆斗 ~ !! なにしてんの ~ 」



「 はいはい、 ごめんね 、 」



女子生徒の声で我に還り隆斗を尻目に廊下を全速力で走る。

紺はやばいやばいやばい、と繰り返しながら、
どうしようと思案した。



どうも授業に出る気にはならず、
一時間目を保健室にて過ごした。













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