第10話

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2017/12/20 14:35
「何やってんだよ。」

『先生... なんで?』

「朝日奈が俺に伝えにきた。携帯の充電なくなったから連絡付かなかったらしい。」

『ゆりちゃんが...』


先生... なんで雨の中傘もささず私のこと迎えにきてくれたの?


「てかお前、どうして朝日奈と瀬戸の連絡先しか知らねーんだよ。」

『コ、コミュ障が...』

「はぁ。まあいいや。帰るぞ。」

『はい。あっ...いたっ...』

「足怪我してんのか?」

『でも大丈夫です』

「いいから。乗れって。」

『無理無理!重いし!おんぶとか!』

「いいから!早く。」
先生... なんで私に優しくしてくれるの_?
私は、羞恥心を捨てきれないまま先生に
おんぶされた。
先生の濡れた髪。広い背中。全部にドキドキしちゃって。心臓の音が伝わりそう。


「てか携帯貸して?悪いことしねーし」

『信用できなっ。』

「信じろよ。笑」


私は恐る恐る携帯を差し出した。
先生は、片手で私を支えながら、反対の手で私のスマホをいじった。


「はい。これ。俺の連絡先。なんかあったら連絡してこい。」

『え!』

「あなた危なっかしすぎるし。生徒になんかあったら困るし。」

『... はい... 』


“ 生徒 ” に何かあったら...か。
私は生徒以上の何者でもないんだね。

スマホの画面に映し出された “ 高塚光希 ” の文字と連絡先。雨粒に紛れて、私の目から涙が流れた。

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