「もう帰るのかー。短かったな。」
『ゆりちゃんまた今度一緒に京都こよ』
「もちろん。こよ。」
私は、出そうになる鼻水をすすりそう言った。
昨日の雨のせいか...
私が風邪引いたってことは...
「はくしょん!お前ら席つけよ、バス発車すんぞー」
やっぱり!先生も風邪引いてんじゃん。
送っちゃった、
なんかこんな文章だけでも緊張するんだ。
先生、ましてや好きな人だもんね。
≫ピコンッ≪
先生...
一番後ろに座っている先生を振り返って見た。
っ...!
目があった。笑った。先生が。笑いかけてくれた。
は、恥ずかしい...!
どうしよう。好きが溢れそう。バレてないかな。
ちゃんとこの気持ちは、
私と先生だけの秘密になってるのかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。