『え?どうして知ってるんですか?』
「瀬戸と前話してたときに聞いたから。」
なんか...知られたくなかったかも。
『ふっ、ちゃいました、笑』
「なんで?
俺やめて瀬戸好きになるんじゃなかった?」
追い討ちをかけるように先生が言う。
聞かないで、私だけが好きなんて辛い。
『もう始業式行かなきゃ...!』
私はそう言って走り出した。けど、足は体育館に
向かっていなかった。
「どこ行くんだよっ...」
『なんでついてくるんですか!』
「お前が逃げるからだろ...!」
私は理科室に入って、そのまま鍵を閉めた。
「開けろって...なんで逃げんの?」
『っ... もうしんどいの...先生の顔見るたび好きって気持ち思い出しちゃうし。私ばっかりしんどいの!!』
好き。何をしていても。何を考えていても。先生がちらついて離れない。
「はぁ.... なんで俺とお前は生徒と教師なんだろうな。」
『え...』
「どうして許されない関係の中で、こんなこと考えなきゃならないんだろうな。」
そんなの...こっちが聞きたいよ。
先生が先生じゃなければ。
私はどんなに幸せだったか。
「........ 始業式。ちゃんとこいよ。」
そう聞こえたあとに、
足音が遠ざかって行くような気がした____