せんせ...
“ じゃないんだよなーごめん笑 ”
『太陽か...』
“ 残らなくていいの?高塚に言われてたじゃん ”
『あー...うん。由麻ちゃん先生に放課後
告白するんだって。邪魔になっちゃう。』
“ はぁ... ”
そのまま太陽は私の手首を引っ張って教室まで
歩いた。
『太陽...?』
“ お前ら似た者すぎ。ほんっとムカつく...笑 ”
太陽の涙交じりの笑い声に胸がきゅっとなる。
“ 逃げんな。 ”
そう言って、私の背中をぽんっと押した。
私はその勢いで教室に入ってしまった。
『ちょ、太陽...!』
振り返ると太陽はもういなかった。
「やっときた。何分待たせんだよ。」
『まだいたんですか?もう最終下校時間前なのに。』
「お前が来るまでいるつもりだった。
伝えたかったこともあるし。」
『伝えたいこと...』
「あなたが今日来てくれなかったら一生
告げるつもりなかったこと。」
期待しちゃダメ...
「俺は生徒が嫌いだ。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。