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今日も廊下で一人、アルトサックスを吹く。
♪~♪~
あなた「うーん、なんか変だなあ、ここの音。」
58小節目の音が、なんか納得できない。
ポンポン
急に肩を叩かれ振り向くと、ほっぺたをぷにっとされた。
勝利「なーに悩んでるのっ」
にこっと天使のような笑顔を浮かべている勝利くん。
あなた「も、もう、なにしてんの//」
つい、ドキッとしてしまったことがばれないように、プイとそっぽを向く。
勝利「もお、またほっぺ膨らませて~怒んないで?」
あなた「にゃ!」
勝利くんがまた私のほっぺたをつん、とさわる。
勝利「ははっ!変な声!笑」
あなた「もお!」
お腹を抱えて笑っている勝利くんを置いて、場所を移動する。
勝利「ああ!ちょっと待ってよ~」
あなた「もー、なに!?」
勝利「ふふっ、怒んないで?」
哀しそうに首を傾げる勝利くん。
そんな風に言われたら、全部許してしまう。
あなた「わかったよ」
そう言うと勝利くんはパァっと顔を輝かせた。
勝利「それでね、あなたちゃん、」
あなた「ん~?」
勝利「一緒に練習してもいーい?」
その笑顔にすぐ頷いてしまいたいのに
あなた「勝利くんが私の邪魔しないならね」
と可愛くない返事をしてしまい、すぐに後悔する。
でも勝利くんはそんなこと気にしてないかのように、無邪気に「やった!サックスとホルンのセッションだね!」と喜んでいるのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。