北山「じゃ、休憩!」
『はいっ!』
北山先輩が声をかけると、みんな疲れたーなどと呟き、私たちマネージャーのもとへ寄ってくる。
マネージャーの仕事は、洗濯や部活後の片付けの手伝い、応援は勿論、試合の時間を測ること。
とたくさんあるけれど、私が一番好きな時間は今みたいに疲れた選手にお茶やスポーツドリンクを配ることだ。
キツい練習のあと、生き返るーー!って声を上げて嬉しそうな北山先輩のことを見れる、幸せな時間。
北山「ねえ、そのタオル、使っていい?」
ふと、北山先輩から声をかけられる。
あまりに不意打ちだったので、声が出せなかった私はコクコクと頷いて腕に掛けていたタオルを手渡す。
北山「ありがとう」
北山先輩はそんな私をフフッと笑ってみんなのもとへ走っていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。