奈未「はーー!!最高だったね!」
ライブが終わり、帰る準備や席に忘れ物がないか確認しながら、奈未と感想を言い合っていた。
奈未「あなた、ずっとけいとくんのこと見てたよねw」
あなた「へっ!?なんで..」
奈未「だって、山田くんも知念くんもファンサしてくれたのに、あなた、ずっとけいとくんのこと見てるんだもん」
あなた「だって私、岡本さんと..」
スタッフ「すみません」
奈未にいろいろ打ち明けようとしたとき、スタッフの人に声をかけられた。
あなた「はい?」
スタッフ「橘あなたさんですか?」
あなた「そうですけど...ってなんで名前...」
不審に思って聞き返すと、スタッフはその質問には答えず、安心したように続けた。
スタッフ「お時間が許すようでしたら、ちょっと、ついてきてもらえませんか?」
あなた「え?」
どう答えようか迷っていると、奈未が私に任せて、とでも言うように肩をポンと叩いて言った。
奈未「大丈夫です!行きましょう!」
あなた「...奈未、ちょっとまっt」
スタッフ「それじゃあ、こちらへどうぞ」
この二人は、なにかのグルなのか。
結局、私の意思は告げられることなく、スタッフ用の入り口へと向かったのだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!