第8話

春8
73
2017/12/16 11:57
菖蒲)ん…


ん?
寝てた…?

菖蒲)……!?


開いた目の視界は男の人の顔で埋め尽くされていた。

謎の男)やっと起きたか。このやろう。ここで寝るなんていい度胸してんじゃねーか。

菖蒲)……近いっ!


ドカッ



なんということだろう。
驚きのあまり足で男の顔を蹴り飛ばしてしまった。


男は床に倒れている。
やばいやばい。
こんな綺麗な顔を足で蹴り飛ばしてしまった。


気付かれないうちに逃げよう。
あ。そういえば、校内案内してもらってる最中に抜け出してきちゃったんだった。
2人とも探してるかな?


急いで戻ろう。

ドアノブに手をかけて開けようとした瞬間、ドアが勢いよくしまった。
ドアは男によって閉められたとすぐに悟った。


謎の男)なに、逃げようとしてんだよ。人の顔を蹴り飛ばしておいて謝罪もねーのかよ。

男は私のすぐ後ろにいる。逃げられない。

私は意を決して振り向いた。


菖蒲)ごめんなさい!蹴り飛ばすつもりは無かったんです!ほんとにごめんなさい!


振り向いたはいいものの、男はドアに手を置いたままだったので壁ドン状態になってしまった。


しかもまた、顔が近い。
なんで、この人はいつも距離が近いのだろうか。

やばい。綺麗な顔がこんなに近くにあったらのぼせそう…


菖蒲)あー…もう。無理っぽい…


ドサッ


謎の男)え…




私は再び意識を失った。





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