プリ小説

第23話

対面
あれは、紛れも無く夢であっただろう。
だが、今掴まれているのは夢では無い。
現実だ。
「…貴方は、ロキ…」
ロキはその狂気の笑顔を向けた。
「…真穂ちゃん、悪夢、見たでしょ」
「!!」
図星を突かれ、驚いた。
「ふふふっ…やだなぁ…僕が見せた悪夢なんだから、知っているに決まってるじゃない」
「貴方が…!?」
真穂は手を引き離した。
今度は、引き寄せられる事は無かった。
「でも駄目だったねぇ、壊れるかと思ったら、案外大丈夫そうじゃん」
堂々とベッドに腰掛けるロキ。
真穂はゆっくりとロキから離れていった。
「夢…だからじゃないの…?」
「ん?」
「夢…なら、私の中のオーディンが悪夢を少し和らげてくれているんだと思う、って事よ」
「ああ…」
ロキは立ち上がり、真穂の方へと歩み寄った。
そして、笑う。


「なら、現実で壊せば良いんだぁ」


───今度こそ夢では無い。
真穂は咄嗟に聖剣を現した。
だがそれより一瞬早く、ロキの手が真穂の首を捉える。
その勢いに任せるまま、真穂はベッドの上に首を絞められながら、倒された。
「…っか、は…」
ギチギチと首を絞められ、息ができない。
「はははっ!!苦しいよねぇ…もっと苦しんでよ!!」
「…う、ぁ…」
聖剣を何とかロキに向けようとするが、手に力も入らない。
そして、意識が遠のいた。


───が、同時にロキの手が離れた。


「真穂さん、大丈夫か!?」
バルドルだった。
バルドルに弾き飛ばされたロキは、壁に背を強く打つけた。
「ば、バルドル…さ…」
「ゆっくり息を吸って、気を確かに───!!」
バルドルは真穂の背中を摩った。
深呼吸をして、何とか落ち着く真穂。
そして直ぐに聖剣を構え直し、ロキを見る。
ロキはふらっと立ち上がると、何事も無かったかのように笑った。
「お前───!!」
その姿を見て、バルドルの表情が変わった。
ロキもバルドルを見ると、愉快に笑う。
「あれぇ、バルドルじゃん…元気?」
バルドルはロキを睨んだ。
「フレイ…」
そう、呟く。
「フレイ!?」
真穂は驚いた。
名前はロキ、では無いのか?
それにもしロキがフレイならば、ヘズルの前に現れているのは───

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