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第41話

血紅色
「───!!」
聖夜は、目を覚ました。
いつの間に、気を失っていたのだろうか───
瞬時に記憶を辿る。

フレイと睨み合い、一瞬でも目を離したら死ぬ、緊迫した状況の中で…

───僕の所為じゃない。悪いのは
───この世界そのものだ!!

あの後、信じられない程の速さで、フレイの創り出した無数の弓矢が聖夜を襲った。
何で創られているかも分からず、一瞬の出来事に聖夜は為す術無くその弓矢を身体に受けた。

「───!!」
その事を思い返し自らの身体を見ると、それは惨い事になっていた。
腕、胴体、脚、至る所に弓矢の貫通した跡。
そしてそこから絶え間無く流れ続ける鮮血。
「ッ…あ!!」
激痛が襲い掛かる。
だが、ここまで流血しても活動出来るのは、既に死んでいるからだと思い知らされた。
「そうだ、フレイ…!」
聖夜は痛む身体をなんとか起こし、フレイの去っていったであろう方角を見る。
───森だ。
(…待てよ、あの森には確か───)

「バルドルとヘズルの家が…!!」

聖夜は血を流しながら、飛び立った。





───ピンポン
バルドルが、実家のチャイムを鳴らした。
『───はい』
機械越しに、ヘズルのくぐもった声がする。
バルドルはそれを心配そうにして、返事をした。
「私だ、ヘズル。バルドルだ───具合が悪いのか?」
『…』

───暫しの沈黙。

「ヘズ…」
『今から向かいます、外に居て下さい』
プツン。
何かが切れた様に通話は切れた。
「ヘズル君…」
その冷たさに呆気にとられる真穂に対し、バルドルは冷静だった。
バルドルは手に持っていた液体状の薬の入った小瓶を確りと握った。
不意に、鳳凰が鳴いた気がした。
気付けば森は既に夕焼けの血紅色に染まっていた。
真穂は辺りを見た。
(…聖夜…)

不安の中、扉がゆっくりと開いた。



現れたのは、見た事も無い程徒ならぬ雰囲気を漂わせたヘズルだった。

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