プリ小説

第18話

出会
「真穂さん、こちら弟のへズルです」
バルドルが一礼し、その少年───へズルを見せる。
真穂は急いで駆け寄った。
「お初にお目にかかります、私、新たなオーディンの真穂です」
真穂は一礼する。
すると、へズルは真穂の手を取った。
「はじめまして、真穂さん、僕、へズルっていいます」
少し驚く真穂に、バルドルがこそこそと耳打ちする。
「失明してはいますが、感覚で何処に何があるかは分かるんです」
「な、なるほど」
そして真穂はへズルの手を優しく握り返した。
「よろしくお願いします、へズルさん」
「はい、真穂さん…いつも兄さんがお世話になってます」
「いやいや、私の方こそいつもお世話になってます」
ペコペコと頭を下げ合う2人。

と、そこに慌ただしく聖夜がやってきた。
「あっ、この子がへズル君?」
へズルは急に聞こえたその声に驚いたのか、辺りをキョロキョロ見渡す。
真穂は聖夜に小さな声で叱咤すると、へズルの前に来させた。
「へズルさん、こちら、サンタクロースの聖夜…といってもちょっと色々あるんだけど」
それを聞き、へズルは驚いた。
「サンタクロース?どうして、サンタクロースがバルハラに…」
「私の相棒…みたいなものでね、特別に」
「そうですか、よろしくお願いします」
握手を求めるへズル。
聖夜はそれが何処か新鮮なのか、上機嫌に握手する。
「おうっ、よろしくな、へズル君!」

「御食事の準備が出来ております」
丁度良いタイミングで、ワルキューレが食事の合図を告げる。
4人は食堂に移動した。



食事をしながら、真穂と聖夜はバルドルとへズルの思い出を聞いていた。
小さな頃から一緒に居て、遊んだ事。
ずっと支え合って来た事。
両親が亡くなってからは、一緒に居れる時間が少なくなった事。

そして───へズルが盲目になった事。

一同は黙り込んだ。

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