プリ小説

第30話

ロキ/フレイの過去 ③
女性は眠りから覚めると、衝動に駆られ、街へと駆け出した。



そこは、焼け野原だった。
そしてその焼け野原に1人佇む恋人、フレイの姿。

フレイは女性を見付けると笑って、辺りに転がり落ちている骨を踏み砕き、歩み寄った。
灰だらけの、その手を差し出した。
女性はその光景を見て、全てを悟った。
思わず、フレイのその手を振りほどいてしまった。
フレイは信じられない顔で女性を見た。
女性は一筋の涙を流していた。
そして、何も言わぬまま走り去っていった。
フレイは直ぐにその後を追った。

フレイは飛んで走る女性の前に降り立つと、肩を掴んだ。
何で、何で逃げるの、僕は、君のために
そう言っても、女性はただ恐怖の声を上げるだけだった。
フレイは女性の肩から手を離した。

そして、そのまま女性を見据えた。
女性の身体が、静かに発火した。
女性は俯いて、声を殺して泣いた。
フレイはそれを、何も言わぬまま見ていた。
女性の身体が灰になった。
灰が風に靡いた。
最期に骨がガシャン、と音を立てて崩れ落ちた。


フレイは骨を拾った。
そして笑った。



その骨を粉々に砕いた。

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