プリ小説

第39話

殺気
「待てや!!」
聖夜は、フレイを追い続けていた。
その間にも発砲を続ける。
フレイはそれを血に濡れた肩を振り避ける。
「ハッ、単純な野郎だね」
「ンだと!!」
聖夜は怒り、スピードを上げた。
そして、もう一丁拳銃を取り出す。
「ほら、そういう所。すぐ挑発に乗っちゃうんだ」
「乗ってねぇ!!」
「典型的な馬鹿だね。いつかそれが致命傷になるよ」
飛びながら、振り向きざまにフレイは聖夜を嘲笑う。
「そうやって余裕ぶっこきやがって!!テメェ、何がしたいんだよ!」
銃を乱射しながら、聖夜はフレイに問う。
「テメェ、バルドルとオーディンに復讐すんのか!?なぁ、何でだ!?神界を追放されたのはテメェ自身の所為だろうが!!」
「───は?」
その言葉に、フレイは振り向いた。
異常なまでの狂気と殺気を放ちながら。
聖夜は思わず身震いした。
「僕の、所為?」
2人の動きが空中で止まった。
瞬きもせず、睨み合う。
否、聖夜は動く事が出来なかった。
───一瞬でも目を逸らしたら、確実に殺される。
そんな予感が脳裏を過ぎる。
荒くなる呼吸をなんとか整えようとするが、フレイの殺気に圧されるばかりでままならない。
「僕の所為じゃない。悪いのは───」



「この世界そのものだ!!」





「…フレイ…さん…」
薄暗い部屋の中で、ヘズルは椅子に座り俯いていた。
その表情は虚ろで、徒ならぬ雰囲気を漂わせている。

───君を盲目にした奴がいるんだけど
───復讐しようとは思わないかい?

フレイのその言葉が、ヘズルの中を駆け巡る。

───そいつの名前はね、



「バルドル」

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