プリ小説

第36話

始まり
「良かった…寝てるだけで…」
「まぁ、気を失ったのは事実だけどな」
倒れたバルドルをベッドの上に寝かせ、真穂と聖夜は一息ついた。
へズルの為の液体状の薬も無事である。
「…あの薬、どうへズル君に…」
「いやー、バルドルに任せるしか無いだろ」
「そうだよね」


───と、2人がふと気を抜いた時。


「やぁ」
「!!」
真穂の背後から、声がした。
その声の主は、フレイ。
聖夜は咄嗟に真穂をフレイから引き剥がした。
「ははっ、そんなに慌てる事無いじゃん」
フレイは笑うと、バルドルに近付こうとした。
直ぐ様聖剣を現し、真穂はフレイに斬りかかった。
真穂は聖夜に眼で合図をする。
真穂の考えを見抜くと、聖夜は瞬時にバルドルに結界を張り薬の護りに入った。
フレイは真穂の聖剣を素早く躱すと、真穂の右腕を掴み、そのまま羽交い締めにした。
「真穂!!」
「ダメ、聖夜!!」
助けに入ろうとする聖夜を制止させ、真穂は背後のフレイを睨んだ。
腕を捕えられたまま翼を広げる事も出来ない。
「…バルドルさんに、復讐する気なのね…何をするつもり!?」
「まぁ、直に分かるさ」
フレイはそう言うと、真穂を勢い良く放り投げた。
薬を護る聖夜目掛けて。
「くっ!!」
真穂は何とか姿勢を正そうと、翼を広げた。
その隙にフレイは眠るバルドルに爪を立てようとする。
「聖夜、お願い!!」
「薬は任せたぜ、真穂!!」
聖夜は素早く真穂に薬を手渡すと、マントの中から拳銃を出した。
そしてフレイ目掛け発砲する。
フレイはバルドルに一瞬触れた。
だが結界に弾き飛ばされ、聖夜の発砲した弾丸に肩を撃ち抜かれる。

───その瞬間、不気味に方頬を上げて。

「ククク…これで準備は出来た」
「あ?」
フレイはそう言い残すと、窓から外へと飛び出した。
肩から流れ出る血が窓に付く。
聖夜はフレイの後を追い、窓から飛び出た。
「待て───!!」
「聖夜!!」
追おうとする真穂を聖夜が振り向きざまに制止する。
「真穂、バルドルは任せた!!なんかやべぇ!!」
「う、うん!!」
真穂はそのまま飛んでゆく聖夜を見送った。
そして眠るバルドルの方へと駆け寄る。
(バルドルさん…)





───バルドルは、夢を見ていた。

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