第3話

soupⅠ
141
2017/12/19 13:53
【黒髪の館〜魔女〜】


コツ。コツ。コツ。

ヒールの高い音がする。


「_様。お目覚めですか。」

「ええ。」

その方は私の淹れた無糖のコーヒーを
いつも欠かさず毎朝飲む。

口に入れた後しばらくゆっくりと舌で掻き回して味わい、ゆっくりと喉に通す。
喉の血管が浮き上がる。

あゝ、なんと美しいものか。


「本日の"血"は特撰のものでございます。」

「とても美味しいわ。」

「嬉しきお言葉。」

すると、
トン、トン。
とドアをノックする者がいる。

「今日のお客様はどうやら礼儀正しいようね。やりがいがあるわ。」

「本日は私がお呼びした特別なお客様です。
どうやらあの"赤い薔薇"に興味があるとか。」

「あら。それはますます楽しみになるわ。」




「素敵なディナーにしましょう。」

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