第16話

🌝ワインペアリング-絶望-
105
2017/12/27 16:49
【先程の黒い髪の毛、知りませんか。】



「迷っているところ申し訳ないが、答えは一つだ。」

俺は彼女のことを愛していた。
だから病院で変わり果てた彼女を見た時はもう
涙しか出ないくらいに放心状態で
ただただ自分を責めることしか出来なかった。

そして自殺未遂までした。

そうだ。
俺は今病院で眠っているはずだ。
これはきっと、俺の夢だ。

彼女が亡くなったことは悲しく、虚しい。
だがあいにく、幽霊の彼女(架空のもの)に命を捧げられるほど広い心は持ち合わせていない。
でも友人までもを失う訳にはいかない。

彼女を守ることが出来なかった。
だからせめて友人だけでも救いたい。
大切な人をもう、失う訳にはいかない。

今度は自分の手で___。

自分は現実に戻り、友人の命も救う方法。
そう、答えは一つ。




するとさっきまでは無かった三つ目の部屋が現れた。

『青い薔薇の部屋』

ドアノブに紐で吊るされてある木製のプレートに、黒い文字でそう掘ってあった。



迷わず俺は飛び入る。




【作者から】
こちらを読まれた方は次話のチャプターに
🌝スイーツ-絶望-
と表示される方をお読みください。


プリ小説オーディオドラマ