【青い薔薇>>3】
蛍光灯の光りが眩しい。
俺が目を開けると、見覚えのある顔が
目ん玉が飛び出しそうな目に、顎が外れてそうなくらい口を開けてこちらを見ている。
「…っ!母さんっ?!?!」
「あんたって子はほんとにっ!親に心配ばっかりかけて!どんだけ心配したと思ってるの!」
「…ごめん母さん。心配かけたよね。
俺もう自殺行為はしない。」
「…あんた本気でゆってる?」
「ああ。
俺はもう大切な人を失いたくない。
だから今度は、自分の命を大切な人の為に使う。
自分の手で守るって決めたんだ。」
体を起こして母に抱きつく。
「…心配かけてごめんなさい。
母さん、ただいま。」
「…うっ…ずっ…ぐすっ…。
…おかえりっ!」
母が俺を強く抱きしめる。
この温度、忘れない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!