ーーー瑠詞
母さんは今安らかに、永遠の眠りについた
大往生だったと思う
父さんは殺し屋だったらしい
でも、父さんを母さん…勿論俺も大好きだった
そんな、父さんが1年前に亡くなった
母さんも後を追うように今日…この時間に亡くなった
二人とも寿命だったししょうがない…
俺は震える声でそう言った
そして、号泣している妻の都々花と息子のアサセにバレないように涙を拭いた
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
ーーーあなた
私は先に着いて待っていた薫さんに抱きついた
これから私達は地獄に落ちる
閻魔様って意外と優しいみたいで、
私が来るまで薫さんのことを残してくれたみたい
そう…私は天国に行けるんだ
でも…
私はニコリと笑った
薫さんも笑った
私達は手を繋いで三途の川に向かった
二人なら怖くない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。