俺には可愛い彼女がいる。
…いや,居たって言った方が正しいのかもしい。その彼女に俺はさっき振られた…。
金沢未来
小さい頃にプロポーズして未来は俺の婚約者になった。
まだ幼かった俺達が婚約者と呼べる関係だったかはわからないけど…。
あの時はまだ子供でとにかく未来が好きって気持ちでいっぱいだった。
未来は幼稚園でも明るくて可愛いからモテていたし,今でも未来は俺の彼女で相変わらずモテている。
本人は気づいてない。だから天然にもほどがあるんだ。彼氏の身にもなってほしいとか思っている訳であって…。
けどそんなのは俺の思い違いで,俺は未来の彼氏なんかじゃないと最近感じている。
だってそうだろ?
他の女といても何も思わない…。それってもう俺のこと好きじゃないって事じゃん?
そんなのずっと前から知ってる…。
未来が俺の事を好きじゃなくても俺は未来が好きなんだ。
それでも俺は未来の事を手放す事が出来ない。
未来を自由にする事が出来ないんだ…。
子供過ぎるって思うかもしれないけど…俺には未来が居なきゃ無理。
男なら大切な人を泣かせたりしないんだと思う。優しく守ってあげるべきだろ?
そんな事俺には難しすぎる。
未来はどんどん女の子になっていく,俺が知らない女になっていくんだ…。
そんな事に俺はいつも焦りを感じている。
俺がどんなに追いつこうとしても未来は何千倍先も歩いて追いつけなくなってしまう。
.....未来が遠く感じる。
いつも未来が話す全ての男に嫉妬した。
けど…そんな事は絶対に未来にはいわない。
男が嫉妬するなんてカッコ悪すぎじゃん。
明らかに未来の事が好きそうな男は近付けないようにする。
だけど、1人だけ上手くいかない奴がいる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。