「正直、居ない方が助かる」
金田一にそう言われ、トスを拒絶された俺。
その時から俺は怖くなった
トスをあげても打ってくれる人がいないって言うのは心底怖えーよ
俺はどうしたらいいのか分からなかった
ただ、ただ、勝ちたくて
ただ、ただ、及川さんに追いつきたくて
必死だった
それだけなのに
なんで、なんで打ってもらえなかった?
なんで拒絶された?
俺には分からない
気づいてなかった
この時の俺は
どんだけ馬鹿だったんだろうって自分でも思う
もし、俺があの時独裁するような事がなければ…
本当の意味で及川さんみたいになれてたら
俺たちもっと違う道を歩んでたのだろうか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!