前の話
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女の子は恋をする。恋にはいろんなパターンがある。
憧れて、恋。いつのまにか、恋。
「どこが好きなの?」
と聞かれても、わからないときだってある。
いろんなパターンがあるから、好きならなんでも恋、
なんだろう。つまり、私のこの気持ちも恋。
あまり、みないパターンだけど。
私は島崎あなた。中学2年生。
私は同クラの飯石照に想いをよせている。
それは、2ヶ月前に男子に嫌がらせをされて靴を隠
されたときのこと。
私がその日玄関に行くと、履いてきた靴がなくなっ
ていた。朝ここにしまったハズなのに。
そこに立っていたふたりの男子…ひとりには見覚え
がある。
全く身に覚えがない。
なにいってんの?この人…
突然口を抑えられた。
口を抑えられ身動きがとれない。
やっと離してもらえた…。
ニコニコ笑いかけてくる。なんなの?この人。
やっぱ、ウソだよね…
気付けば本音を口にしていた。
さっきとは違う笑顔を見せられ、ドキッとしてしま
う。
顔が赤いのを見られたくなくて、その場から立ち去
ろうとしたそのとき。
…え?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!