第23話

愛を教えてくれた人
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2018/01/22 11:16

--テヒョンside--



バタッ





あなたが倒れた。




俺の目の前で。





俺は、自分が何されるか分かってた。

でもあなただからいいと思った。


なのに…


テヒョン
おい!起きろって!
あなた!あなた!
逆らったら死刑だろ?
命令聞け!なあ目ぇ覚ませよ!



そう言いながら

必死であなたの身体を揺さぶるが、

ビクともしない。




顔を上げると、

逃げようとしている、ジミンって奴が

視界に入った。


テヒョン
…おい
テヒョン
何、逃げようとしてんだよ


ジミンの足が止まった。



ジミン
何?なんか用?
テヒョン
なんか用じゃねぇだろ。
お前のせいで、あなたがこんな事に…
ジミン
僕は何にもしてないよ。
あなたちゃんが勝手にしただけじゃん



人間のクズ。



その呼び名に相応しい。


テヒョン
お前…

































ゴツッ










ジミン
痛ってぇ…



俺は殴った。













ゴツッ






テヒョン
痛ってぇじゃねぇか



そこから、殴り合いに発展した。




こんなに傷が出来たのは生まれて初めて。

殴られたのも初めて。



けどさ、



生まれて初めて出来た愛する人を

自分の力で守るって、



痛みさえも感じないんだな。







ジミン
はぁはぁはぁ、
参ったよ、もう…
テヒョン
あなたに謝れよ。
いや謝るだけじゃ済まない。
一生懸けて償えよ。


そう俺が言うと、ジミンは足早に、

俺達のいる場所を後にした。









“スタンガンでは人は死なない”




その文字を見て、安心した。



ジミンが行った後、

俺はあなたをとりあえず自分のベットに寝かせ、

スタンガンについての事を、

必死に検索していた。

スタンガンは気絶するだけで、

死にはしないそう。


本当に良かった。



にしても、

何であんなこと…


もしかして…




婚約者の話。


父さんに言われたんだ。

隣の国の子と結婚しろって。

俺は嫌だと言った。

俺はあなたが好きだって。

でも、その思いは通じなくて、

見合いの前の日、俺はあなたを手放した。


辛かった。

苦しかった。

もっと一緒に居たかった。


愛なんてどうでもいいと思ってた。

俺に愛を教えてくれたのはあなただった。


でもそれが運命。


あいつにはもっとマシなやつがいるはず。

俺は王様だから。




あいつはずるい。


せっかく決意したのに、


あなた

私はあなたを愛しています




あいつが出ていくまで、

絶対に涙は流さないと決めていた。


あいつが俺の部屋を出ていった後、

声を抑えて泣いていた。


愛がこんなに苦しいものだなんて。

辛いものだなんて。


あいつに出会うまでのおれは知らなかった。



テヒョン
俺がっ
王様じゃっ無かったらっ…



俺が王様じゃなかったら、

あなたともっと早く出会えていて、

あなたを傷つけることなく、

幸せになれていたのかな。


王様というレッテルに囚われず、

ありのままの自分で

愛することが出来ていたのかな。









テヒョン
はっ、いっけね…


今までの事を思い出していたら、

自然と涙が出てきていた。


テヒョン
もう一人にしないから



今まで、沢山遠回りしてきた分、


テヒョン
愛してる。あなた



永遠に愛するんだろう。

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