第16話

大富豪
3,799
2018/01/10 10:20
声が聞こえた方へ振り向く。






ジミン
あっやっと気付いてくれた
あなた

誰ですか

ジミン
あっ、僕ジミン

その人はジミンと言うらしい。
ジミン
何でこんな暗いのに夜道ほっつき歩いてんの?危ないよ
あなた

あなたみたいな人がいるからですかね

ジミン
そう、夜道を女の子1人は危ないよ。
あと僕は怪しい人じゃないからね

いやいや、

夜道で女の子に声かけて、

肩掴んでまで話そうとするあなたは

怪しい人としか思えませんが。
あなた

で、何の用ですか?

ジミン
いや、なんか、声かけただけ

なんだそれ。

声かけただけって…

この人訳分からない。
あなた

とにかく、もういいですか?

ジミン
えっ、あっ、だめ
あなた

は?


この人頭おかしいんじゃないんでしょうか…

だって、声かけただけならもういいでしょ。
ジミン
ねぇ、僕のこと嫌い?
あなた

嫌いです。
嫌いというよりかは、訳わかりません

ジミン
結構言うね
あなた

はい。
仲良くない人には塩なので


“あの、もういいですか”


そう言って今度こそ私が離れようとしたら、

腕を掴まれた。
ジミン
そんな顔してる女の子、
放っておけないよ

そう言うと、私はジミンさんに腕を引かれ、

知らない場所へと連れていかれた。

そして着いたのは、高層ビルの前。
あなた

ここ、どこですか…?

ジミン
どこって、僕の家だよ

ここの高層ビルのオーナーが、

今、私の腕を掴んでいるジミンさんで、

かなりの金持ちらしい。

ここのビル、飲食店も、雑貨店も、服屋も、

すべて揃っているのだそう。


まためんどくさい人に捕まってしまった。
ジミン
さぁ行こ!

そう言うと、ジミンさんは

私の腕を掴んだまま、

ビルのパスワードと指紋認証を素早く済まし、

ビルの中へと足を踏み入れた。


思ったより広くて、

こんな大富豪近くにいたんだなと驚いた。


エレベーターで三十階のボタンを押して、

三十階につくと、

とても広く、

そして豪華な部屋が目に飛び込んで来た。
あなた

こんなとこ住んでるんですか…

ジミン
そうだよ。驚いた?

いやいや、驚くレベルの話じゃないですよ。

言葉失います。こんな部屋。



“ここ座って”



そう言われ、一人用のソファに腰を下ろした。

ふかふかで、座り心地は抜群にいい。



でも、疑問に思った。

何でこんな大富豪が王国にいるんだろう。

しかも、普通の町に。

こんな人いたら、王国側が放っておくわけない。
あなた

あの、
何でこんなにお金持ちなんですか?





返ってきた答えは、

信じられない答えだった。








































































ジミン
僕、キムテヒョンの実の兄なんだ

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