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第3話

また会うために
彼女に会わないまま、結構な時間が経った。「またいつか」を叶えたい。
それにしても最近はただの泥棒が多いな。色んなお屋敷が被害に遭っている。薔薇の髪留めの彼女の家も心配だ。怪盗なのに、何考えてんだろ。
よく手下として使う泥棒の男の話だと、彼女の家には豪華な宝石があるらしい。今日はその話を詳しく聞くつもりだ。
盗むつもりは無い。誰よりも早く情報を手に入れて、忠告しに行きたいんだ。
僕の拠点は少し街から離れた古い城のような建物。
窓から男が見える。用のある泥棒だ。
部屋に入ってきた彼にお茶を出して話を聞いてみる。

「それで?宝石って?」
「それがな、あそこって魔女の家だっただろ?」

母親のことだな。

「そうだな」
「それがなあ、呪いらしいんだよ~!」

どういうことだ?

「それはどういうことだ?」
「きっと魔女が呪いをかけたんだよ。宝石は、娘の女の子の心臓に埋められているらしい」

娘…薔薇の?!あの女の子?!

「呪い…?」
「俺も聞いた話だから確かか分かんねえけど結構な奴らが最近狙ってるらしいぜ。お前も行くか?」
「…どうやって奪うんだ?その宝石。心臓の中なんだろ?」
「そりゃあ女の子を殺すってことじゃねえか?」

……殺す。
僕にはそんなこと出来ない。
何故なら僕は彼女のことを密かに特別な存在として、考えているから…。

「…悪いけど、この話はパスにしておくよ。」
「そ、そうか…。お前となら手を組めると思ったんだがな…。」

コップをゆっくりと置いて、残念そうに男が立ち上がる。
音を立てながらドアが閉まり、男が出ていった。
たくさんの泥棒が彼女を狙っている。
彼女の命を。心臓を。宝石を。
僕が誰よりもはやく彼女を盗んで、守ればいい。
僕は名の知れた怪盗だ。
僕が盗めば誰も手を出すわけがない。
問題は、彼女が僕を信じてくれるかだ。

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こまいぬ
こまいぬ
僕はたまに歌を書いたりポエムを書き留めたりお話を書いたりします
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