第4話

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2017/12/21 13:18
忘れ物を取りに戻った部室は、まだ鍵がかかっていなかった。

部活が終わってもう三十分は経っているが、誰かまだ残っているのだろうか。



「…はぁ、な…七世…っ…」



静かにドアを引くと、中から聞こえてきたのは淫靡な先輩の声だった。

不意に呼ばれた自分の名前に思わず返事をしそうになる。


制服のズボンは左の足首に絡まり、こちらへ突き出された尻はゆらゆらと揺れた。

真っ白な肌と程よい肉付きに、一瞬 女であるかのように錯覚してしまう。



「あっ…も、…やば……ぁ、ッ…でる」



俺の耳に届いた声は、聞き慣れた先輩の声とはまるで違っていた。

普段はあまり口を開かない、どちらかと言えばクールな人だ。



「ッ…ぁ、ん…な、なせ…っ…七世!」



それが、こんな一面を隠し持っていたなんて。


…少し、意地悪したくなる。



「呼びました?先輩」



そう声をかけたのが、先輩と俺の奇妙な関係の始まりだった。





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