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家に着いた。
変わらずあなたは
黙って泣いている。
こういう時何ができるんだろう。
モヤモヤした感情が
シルクを取り巻いた。
何があったんだろ。
笑顔のあなたはどこへ
聞いていいのかな。
わかんねえ。
…40分くらいして
あなたが風呂から上がって来た。
柄にもないセリフが
さらっと出てくる。
シルクの前にちょこんと座る。
手があなたの髪に触れた。
ビクッとあなたの体が跳ねた。
あぁ、なんかあったんだ。
胸がぎゅーっと締め付けられた。
シルクは後ろから抱きしめた。
小さなあなたの身体が
震えているのがわかった。
語りかけたあと
シルクが立ち上がろうとする。
同時に
あなたがシルクの服を掴んだ。
……
かれこれ何分こうしてるだろうか。
あなたは何も言わずに黙っている。
あなたが静かに話し始めた。
しばらく泣いていたが
落ち着いてきたのか
シルクの腕の中で眠ってしまった。
そっとベッドに下ろし、
すぐにモトキに連絡した。
▶︎モトキ宅
Fischer'sメンバーが
心配そうに集まっていた。
メンバーで話してみるものの
暗い話題しかでてこない。
「俺らが暗くなってもね」
という結論に達し、
普段通りの会話をし始めた。
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あなたside...
私寝ちゃってたんだ。
シルク…いない…
モトキのとこかな…
行こう。
710…
ガチャ…鍵開いてる…
…ギィイイ
リビングのドアを開けた。
笑顔が見れてよかった。
誰もがそう思った。
みんなでワイワイ、
夜ご飯は出前をとって済ませた。
遅くなり、解散し始める。
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あなた帰る前に風呂入っとくか。
……15分
あーっさっぱり。
珍しく眠い。
ベッドにいるか、
すぐにあなたくるよな。
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シルク寝てるかなあ…
まじまじと真横で見つめるあなた。
あまりの寝顔の可愛さに、
気づくと頭を撫でていた。
すると、パチっと
シルクの目が開いた。
布団を広げてあなたを誘う。
あなたはためらいながらも、
一息ついてから布団に入った。
シルクside...
これってやっぱダメなパターン?
俺が失恋?笑 見た目以上に繊細な俺
明日からどんな顔したらいいんだよ笑
モヤモヤの中シルクは眠りについた。
あなたside...
すごく嬉しい…でも
なんだかモヤモヤしてて。
私なんかでいいのかな…
昨日のこと……汚れてるよ、私。
シルクと釣り合う気がしない。
でも、日に日にシルクを好きになる。
一緒にいてもいいのかな?
誰か教えて……
あなたも眠りについた。
7:15 アラーム
pipipipi....pipipipi....
今日は洋風にしよう。
ウインナー焼いてキャベツ炒めて、
パン焼いて……目玉焼き🍳
シルク、ミルクティー好きだよね。
紅茶準備して…っと…。
起こさなきゃ。
もう7:35!
シルクを揺さぶる。
が、反応はない。
もうっ!とほっぺを膨らまして
シルクの上にまたがった。
クルッと態勢を変えられて、
今度はシルクが上にいる…
シルクside...
ベッドには制服姿で、
少し乱れてて押さえつけられたあなた
朝から刺激強すぎな。笑
飯食おう、飯
学校どころじゃなくなるわ。
返事聞いてないし。
…ま、出るころでいいか。
あなたのおでこに軽いキス。
ベッドからおりて歩きだした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。