第10話

動き始めた時計
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2017/12/23 02:47
健人 笑ってくれた

あなた あっ...

健人 隠さないで?まだ嫌かもしれないけど...俺だけでもいいから素のあなたちゃん見せてよ

あなた 初めてそんな事言ってくれた...

健人 初めて...?

あなた ありがとね?でも大丈夫だから

健人 あなたちゃん...

心配そうに見つめてくる彼の目が凄く綺麗で儚げで
目を逸らせなかった

健人 俺頼りない?

あなた そーじゃないよ?

健人 なら...

あなた 折角私と話してくれる人が増えたのに...離れていっちゃうから話したら皆離れるの

健人 離さないから大丈夫

あなた みんなそう言ってた

健人 俺の目見ろって!!

あなた っ!!

吸い込ませそうな感じで...久々に感じた少しだけ胸がズキって

健人 離れないから...あなたちゃんの事絶対守るから

なんでそこまでしてくれるのか...可哀想な子に見えてるからなのか

分からなかったんだ...

彼の優しさがすごい苦しかった

あなた 守るなんて簡単に言っちゃダメ...

優しくされたら...求めてしまうから...

隠してたもの溢れそうだから...

あなた ありがとね...健人くん

健人 え?

あなた 傷付けたくないの...健人君はみんなの王子様でいて?

もう...関わってしまったらきっと離れられなくなる

傷つくのも嫌...傷ついてるところを見るのも嫌...

だったら離れよ私から...

あなた もう関わらないで?

そう言って屋上をでようとした時...

健人 無理だよ...


そう聞こえた瞬間に後ろから抱きしめられた

あなた えっ!?

健人 俺...あなたちゃんに頼られる男になるから

あなた 健人くん...

健人 だから...関わるななんて言わないで...

あなた 分かった...から離れて...///

健人 え...あっご、ごめん!

あなた だ、大丈夫...///じゃ、じゃあね

駆け足で屋上を出ると

あなた っ...///

久しぶりに感じたこのドキドキ...

触れていた所からどんどんと体温が上がっていった

紛れもなく...私の気持ちが少し動いた瞬間だった

健人 何してんだよ俺...

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