
第21話
前日の土下座(後編)
今まで2人でミーティングは何回もやってきた。
近くのカフェであーでもないこーでもないって予定を決めたり色々。
一応私が部長だけど、スライディング土下座部は私と玲二先輩、2人で部長という感じなのだ。
いつものように話を進める。
そう言って玲二先輩が椅子から立ち上がる。
私は先輩の服の裾を引っ張ってそれを止めた。
私がそう言うと、先輩は座り直してくれた。
なんで私だけ名前呼びなんだろう。私が時々気になっていた事だ。
でも、もしそれだけならきっと聞いてなかった。
聞いたのは、別の理由があるからだ。
正直、まだ自分に少しだけ残っていた女心が砕かれた感じだ。
…全く、この先輩はどんだけ鈍感なんだ。
慌てて口を抑える。
言わなくていい事まで言ってしまった。
思わず俯いてしまう。
先輩が素直に頭を下げる。
…へ?
びっくりして顔を上げると、玲二先輩は顔を真っ赤にしていた。
そう言って先輩は慌てて立ち上がる。
私は先輩の背中にそう投げかけた。
外をふと見る。
すると、外には祐樹と亜美がいた。
仲よさそうに歩いている。
…いつのまに。
明日、ついに本番だ。
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