《ん?なに?》
[神山くんはあなたさんと付き合ってるの?]
その子の目は真剣だった。
そして、神ちゃんは答えた。
《付き合ってへんよ?ただ仲良いだけ、俺があなたと仲良くしたらあかんの?さっきから聞いてたけど、別にあなたが誰と遊んだってええんとちゃう?なんかしたんかあなたがお前に…俺はお前の何?》
「神ちゃん、待って、言い方キツイよ…今言うことじゃないかもなんだけど、この子ね、神ちゃんの事、ずっと好きだったの…」
《え?あ、そーなんや》
神ちゃんはビックリしていた。
《あ、ごめん、言い方きつかった。でも、、》
神ちゃんは話し始めた。
《今は、彼女とかいらんねん、今はちゃんと自分の事に集中したいねん…。でもこれだけは言わせてや?
”好きになってくれてありがとう。”》
その女の子は泣いていた。
そして、神ちゃんのその真っ直ぐな意見にまた少し私は惚れていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!