ガタッ
グランッ
急に観覧車が止まった。
って言った刹那。
ブォンッ
観覧車が下に崩れ落ちた。
ラムがロンを抱き、あなたがラムを抱き抱える。
ドスッ
コンクリート製の地面に強く叩きつけられる
8月15日の午後12時半頃なのに辺りは夜よりも暗いと言っていいほど漆黒の闇に包まれていた。
その時、ラムのスマホが鳴り響いた
スマホを見れば、見慣れた青い電脳少女が。
あなたは走った。ラムはロンを抱え、片手にスマホを持ち、エネのナビゲートを頼りに走った。
エネがナビゲートしなければ遅かっただろう。
アトラクションが次々と崩れていった。
下敷きになっていく無残な人影が見える。
プツリとスマホが切れた。
崩れ落ちて行く背景から二人は背けるように走っていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!