玲奈のはそこから返事を返さなかった。
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次の日の休み時間、玲実に連れられて屋上に出る。
なんとなく理由はわかっていたけど...
「なに?急に。」
まるで何もわかっていないフリをする。
『何じゃないでしょ?昨日は明らかにおかしかった。』
「だからなんもないって!!」
自分でもびっくりするほど大きな声が出てしまった。
そして同時に玲実は微笑んだ。
『そういうときは絶対なんかあるんだよねー。何年あんたといると思ってるの?』
そう言われた瞬間、涙が溢れてくる。
そして玲実は私をやさしく抱きしめる。
私が泣く音ではっきりとはわからなかったが、玲実はこう言った。
『強がらなくていいんだよ』
ああ...やっぱり玲実にはかなわないなぁ。
そこから私はすべて話した。彼が病気になってしまったこと、そしてその命ももうすぐで尽きてしまうことを。
『そっか...辛いよね...それは。』
「うん...自分でもどうしてあげればいいかわかんなくて。」
『でも、寄り添ってあげるのが一番なんじゃない?』
「え?」
意外な言葉が帰ってきて驚いた。
『特別なことはせずに、ずっとそばに居てあげるのがベストなんじゃない?
あんまり気を使いすぎると相手も嫌じゃん。』
さすがだなと思った。
相手の気持ちも考えて、なおかつ自分の意見も尊重してくれるとこ。
やっぱりいい相談相手だなー
「そっか...ありがと...やっぱ玲実に相談してよかった!」
『なんかあったらいつでも言ってねー』
「うん...」
少し照れながら答えた。
『よし、じゃ教室戻るか!』
「うん!」
少し不安な気持ちが和らいだ。
今までの足取りとは違って、少し軽かった。
教室の前まで来た時、異変に気づいた。
クラスが騒がしく、変に混乱していた。
第三章 END
【新しい人物が増えたので登場人物表に追加しておきますね〜】