
第4話
🦇
声だけで他者を凍りつかせるその声
恐怖のあまりうまく呼吸ができなくて息苦しい。
だんだん近づいてくるのが分かる。
冷たい吐息が首筋にかかり、体温の感じることのない手が肩に置かれる。
もう逃げられない
突然のことだった。
ソレが私に対して口を開いたのは…
でも、恐怖で口さえ開かない。
ソレは私の震えを感じ取ったのか、少し離れた
ソレは再度私に近づくと、耳元で囁く。
そうしてソレは光のない目で私を一瞬見ると、闇の中に溶けていった。
圧倒、恐怖…
それに相応しい眼で。
漆黒の瞳で。
でもその目に、ソレに抱いてしまったんだ…
淡い恋心を…
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