黒羽 鑾
くろばね らん
それが俺の名前。
今日から俺は高校生。
俺は…吸血鬼だ。そして、人間でもある。
もちろんご飯は基本、人の血だ。
だけど、少しなら食べ物を口にすることも可能だ。
だけど、吸血鬼であることは隠し通さなければならない。
俺が吸血鬼であることは、皆を混乱させるから。
昼間は完璧な人間として生きる。
それが俺の高校に通える条件だ。
小、中は誰とも関わる事なくバレずに過ごしてきた。
だからきっと高校も大丈夫だろう。
これが俺の高校生活の幕開けだ。
ツラツラと覚えた文章を読み上げる。
一回読んだら覚えてしまう能力を最大限に生かす。
あぁ、あの子美味そうだ…
子供を食べれるのも俺の特権だなぁ。
そんな事を考えながらも読んだ挨拶が、あんなにも有名になるなんて考えても無かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。