
第25話
🦇
静かな洋館に俺の足音だけが響く。
《 帰ってきたらママのこと起こしてね! 》
あの人は一度寝たらなかなか起きない。
俺は母の棺の横でひざまづく。
起きる…わけがない。
俺があんだけ言っても起きなかったのに…
パパに似てイケメンだもんね!
と母は笑った。
呑気な人だなぁ。吸血鬼とは思えない。
なにをそんなに喜んでるのだろうか…
女というものはほんとに分からない。
そうか…人間は俺らの餌なんだ…
父が自分のために言ってくれてるのは分かっている。
母と一緒になったことで、母の自由を奪ってしまったと、少し後悔しているのも知っている。
だからこそ、、
俺に自分と同じ思いをして欲しくないのだろう…
俺は恋なんてしない。
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