プリ小説

第25話

🦇
ただいま…
静かな洋館に俺の足音だけが響く。


《 帰ってきたらママのこと起こしてね! 》
あー、めんど
あの人は一度寝たらなかなか起きない。


俺は母の棺の横でひざまづく。
母さん!起きて!
起きる…わけがない。
母さんってば!
ジャック
ん…鑾、おかえり。
父さん、母さんが起きない。
ジャック
あなたはなかなか起きないからな笑
はぁ…
ジャック
あなた…おはよ。
鑾、帰ってきたよ。
あなた

ん…眠い。

俺があんだけ言っても起きなかったのに…
あなた

鑾ちゃん、おかえり〜

ん、ただいま。
ジャック
学校はどうだ?
それが酷いんだよ…
あなた

なに!?鑾ちゃんイジメられてるの!?

違うってば…
なんか、俺がかっこいいとかで有名なんだよ。
ジャック
え…?
あなた

うそぉ…

パパに似てイケメンだもんね!


と母は笑った。


呑気な人だなぁ。吸血鬼とは思えない。
まぁでも、なるべく目立たない…
あなた

彼女できたら教えてね!

なにをそんなに喜んでるのだろうか…


女というものはほんとに分からない。
ジャック
あなた

パパ?

ジャック
そのことなんだが…
ん?
ジャック
人間に恋愛感情は抱かない方がいいかもしれない…
あ…
そうか…人間は俺らの餌なんだ…
わかってるよ…
父が自分のために言ってくれてるのは分かっている。


母と一緒になったことで、母の自由を奪ってしまったと、少し後悔しているのも知っている。


だからこそ、、


俺に自分と同じ思いをして欲しくないのだろう…
父さんありがとう
俺は恋なんてしない。

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