第3話

問い。
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2017/12/22 10:46
 ボクはゆっくりと話しを始める。
息を吸い、そして吐く。ボクは、話すことが苦手なようだ。
「ボクはね、いつも思うんだ。本当の問いには答えなんかないんじゃないかって」
「問いに嘘も本当もあるの?」
ワタシは不思議な顔でボクに問いかける。
「いや、嘘の問いなんてない。ただ、それは本当に問うべき問いなのかということさ」
「ボクはなにを問うべき問いだと思うの?」
ボクはまた、息を吸い、そして吐く。
「リンゴの問いさ」
「リンゴ?」
「あぁ、そうだ」

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