私はいつの間にかゲームをしていた途中で眠ってしまっていた。そうして何時間か後にケータイに誰かから電話がかかっている音で目覚め...。
すぐ手元にケータイがあったから私は寝ぼけ眼のまま相手を確認しないままに電話に出た。
私は電話の声の主に驚いた。それは連絡を待ち望んでいた裕貴お兄ちゃんで...。
私は平然を装って電話をしていたけど、心の中は緊張と嬉しさでいっぱいいっぱいだったし、少しケータイを持つ手も震えていた。
里帰り、なのは裕貴お兄ちゃんと私が一人暮らしをしている都心だと私と裕貴お兄ちゃんが一緒にいるとスキャンダルを撮られてしまう可能性も少なからずあるからだろう、裕貴お兄ちゃんはそれでもし私が被害にあってしまったりすることのないように配慮してくれているのだ。
私は裕貴お兄ちゃんとの電話が終わると力が抜け、ベッドに突っ伏した。
私は嬉しさと共に、さっき電話で裕貴お兄ちゃんが自分のことを「裕貴お兄ちゃん」と私に言っていたことを思いだし、やっぱり妹のように思ってるんだろうな...と悲しさを感じていた。
私は両親に今度の週末に裕貴お兄ちゃんと里帰りすることをメールで伝えると、やりかけていたゲームをしまって眠りについた...。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!