第15話

楽屋にて
そうして、イベントは進んでいってあっという間に終わった。裕貴お兄ちゃんが日常でのこと、仕事の裏話なども話していきながらイベント関係者が用意したバースデーケーキなどで皆で誕生日を祝い、会場の熱気は最高潮のまま終わりを迎え、客の皆は名残惜しさを残しながら帰っていく。
そうして私は、一人他の皆とは逆方向に向かい、近くにいたスタッフに声をかけた。
あなた

あ、あの...裕貴お兄ちゃん...いえ、私、梶さんの幼なじみなんですが...イベントが終わったら、スタッフの誰かに声をかけて楽屋まで来てくれって言われたんですけど...。

私がそう言うと、そのスタッフの人は笑って頷いてくれた。
スタッフ
はい、梶さんからはお話を聞いています。あなたさんですよね?楽屋へ案内するようにと言われています、こちらへどうぞ。
あなた

(嘘、本当に...)は、はい...。

私は頷いて、そのスタッフの人に案内されるまま楽屋へと続く道を歩いた。そして...
スタッフ
こちらになります。
あなた

あ...。

案内された部屋には、ドアのところに「梶裕貴様 楽屋」と紙が貼られていた。
スタッフの人はドアをノックしながら、ドアの向こうにいるらしい裕貴お兄ちゃんに声をかけた。
スタッフ
...梶さん、あなた様をお連れしました。
梶裕貴
梶裕貴
...あ!ありがとう、入って!
中からそんな裕貴お兄ちゃんの声が聞こえ、スタッフの人は頷くと楽屋のドアを開け、「どうぞ」と笑って私のことを中へ入るように促した。
あなた

し、失礼します...。

私がそう言いながら楽屋の中へ入ると、裕貴お兄ちゃんは「いらっしゃい!」と私のことを出迎えて、スタッフの人は「それでは」と笑って礼をすると、楽屋を後にしていった。
梶裕貴
梶裕貴
じゃああなた、とりあえず座りなよ!急にごめんな?
裕貴お兄ちゃんはそう言うと、私に椅子に座るよう進めた。楽屋には大きなテーブルが真ん中に置かれてあって、そこにいくつかの椅子が置かれててその内の1つの椅子を裕貴お兄ちゃんが引いてくれて、促されるまま私はそこに座った。
あなた

あ、ありがとう...ううん、特に用事なかったし大丈夫だよ!それにこうしてイベント後に会えるなんて嬉しい...あ、改めて誕生日おめでとう裕貴お兄ちゃん!もちたのことも!

梶裕貴
梶裕貴
はは、ありがとう!やっぱり毎年だけどそうやって俺の演じているキャラのことも一緒にあなたにお祝いされると嬉しいよ、ありがとな!誕生日分からないキャラだからって他の誕生日公表されてない俺の演じているキャラとかもお祝いしてくれてるんだろ?
あなた

う、うん...まあ自分の中で勝手にお祝いしてるだけだけど、ブラックウルヴスサーガのラス君とかね?

そうやってしばらく、裕貴お兄ちゃんと他愛もない話をして...