おい、シュウに雌豚ぁ!おら、野菜届けに来てやったぜ。
あ、ユーマ君!ひさしぶりだね。また多く野菜持ってきてくれたんだね。ありがとう。
...ん...ああ?ユーマ、か...。またお前の作った野菜持ってきたのか...。
なんだよ、せっかく人が作った野菜持ってきてやったってのにその態度はよ...それよりまた寝てたのかよ、相変わらずだな...。お前、どっかの家の雇われ演奏家だかしてるって聞いたけどそんなんで大丈夫なのかよ?
...ちっ、うるさい。まだその屋敷に行く時間じゃないから寝てただけだ。せっかく人が気持ちよく寝てたってのに、うるさい奴だな。
あ!?なんだと?
ユ、ユーマ君!!シュウさんも落ち着いて!!
私が無神のみんなに会って、ユーマ君やシュウさんの間で色々あってから半年後。私とシュウさんは逆巻の屋敷をでて、二人きりの生活をしていた。それから色々なことがありながらもシュウさんは近所の貴族のお屋敷の雇われ演奏家のような感じで毎日通い、働きながら生活をしていくようになり、ユーマ君ともわだかまりが解け、こうしてユーマ君はよく私達に余った野菜を届けに来てくれたりしていた。
(ふふ、シュウさんはユーマ君にあんなこと言ってたりするけど、なんだか少し嬉しそうにみえるし...ヴァンパイアだから食事はしなくても良いはずなのに好物のレアステーキじゃなくてもユーマ君が持ってきた野菜は食べてたりするし...本当は嬉しいんだよね...。)
...おい、あんた。何黙ってこっち見てんの?
え!?いえ、何でもありません!
...あんた、嘘つくの下手だよな。どーせ変なこと考えてたんだろ?
そ、そんなことは...!
...おい、それよりお前ら。明日なんかするのか?
...え?明日...?
何...ああ、そういえば明日はクリスマスイブ、とか言うやつだっけ...?面倒くさいから特に何もするつもり、ないけど。
あ、そういえば明日はクリスマスイブなんだね。忘れてた。
...はぁ、お前ら一応二人で暮らしてるんだろ?お前らがあの屋敷を出て二人で生活するようになって一応初めてのイブとクリスマスなんだから、一緒に何かして過ごした方がいいんじゃねえの?特に雌豚は俺やこいつとは違って人間なんだから、何か特別なこととかしてぇだろ、なのにクリスマスイブだってこと忘れてるとか...。
ご、ごめんね。ここでの生活はなんだか穏やか過ぎて曜日感覚が無いというか...。(屋敷にいた頃は皆がいて騒がしかったりしたけど、シュウさんと二人きりになってからはそういうこともないし...。)
はぁ、たく、これだから雌豚は...。
ご、ごめんね...。(でもまあ確かに、クリスマスイブだけでもシュウさんと何かいつもとは違うようなことしてみたいかも...二人きりになってから初めてのクリスマスイブ、だし...。)
...そういえば、忘れてたけど雇われてる貴族の奴に明日屋敷でクリスマスパーティをするからそこでの演奏を頼まれて、パーティにも参加しろって言われてたな。あんたを連れて。だからそれにあんたを連れて行く。それでいいだろ。
...え?(初めて聞いた...本当に忘れてたみたいだな、シュウさん...。)
...はぁ、ったく、分かってねぇなあ、シュウ。そこにも二人で行けばいいが、その後にでも二人きりでどこかに行くとか、何かしろってことだよ、雌豚はそういうのを望んでんだからよ。
ユ、ユーマ君...?
...はぁ、面倒くさい。何で俺がそこまでしないといけないんだ。ユーマ、お前には関係のないことだろ。...そろそろ時間だ、俺は屋敷に行く。じゃあな。...ユーマ、気を付けて帰れよ。
あ、シュ、シュウさん!行ってらっしゃい!
...ったく、シュウのやつ...。
...あの、ユーマ君...?ど、どうしてそんなにクリスマスイブのことを...?
あ?ああ、わりぃわりー、お前の気持ちも確認しないで...。
う、ううん!私も本当はクリスマスイブはいつもとは少しでも違うような風に過ごしたいなって思ってたし、ユーマ君があんな風に言ってくれて嬉しかったけど...どうしたの?
...あー、そうだな...。おい雌豚ぁ、俺、お前には感謝してるんだ。
え...?感謝...?
ああ...。今俺があいつと...シュウとこうして話せてるのは、お前がいてくれたおかげなんだ。俺はきっとお前がいなかったら、こうしてシュウとまた話したり...野菜を届けに来る何てことは、出来なかったと思うんだ。お前が過去を思い出してシュウとのことに悩んだ俺と、同じく過去にとらわれていたあいつを支えていてくれたから...向き合ってくれたからなんだ。だから俺は雌...いや、あなた、お前に感謝してる。俺はお前のおかげで、あいつの...シュウの前でだけは、エドガーとして過ごせているような気がするんだ。
...ユーマ君...。
だからな、あなた。なんていうか、その...お礼というか、お前に最高のクリスマスをあいつと過ごしてもらいてぇつーか...。ほら、人間の女はよく分からねぇけどクリスマスを特別に思ってて、好きなやつと過ごしてぇとかイルミネーション見てぇとか思ってんだろ?コウのやつから聞いたんだけどよ...。シュウの野郎にも、お前と幸せに過ごしてもらいてぇし...。
ユーマ君...。そんな風に思っててくれてたんだね、ありがとう。ユーマ君のその気持ち、とても嬉しいよ!確かに少しクリスマスイブは特別に二人きりで過ごしたいとは思うけど...でも私にとって、こうしてシュウさんと二人きりで暮らして、ユーマ君とシュウさんが仲良くしてるところを見てるだけで私は幸せなの。だから、特別なことは望まない。お屋敷のパーティには行くみたいだし、私にはそれで十分だよ。
そうか?...お前がそれで良いって言うんなら、良いけどよ。
うん。ごめんね、ユーマ君...。
は、気にすんじゃねえよ。じゃあ、俺はそろそろ帰るかな。野菜達、ちゃんとみんな食べろよ。残すんじゃねえよ。
うん!!
...。
そんな二人の会話を、ドアの向こうでシュウが隠れて聞いていて...。
長々しく書いてすみません!設定は、モアブラのアフターのシュウ様に少しアレンジを加えた時間軸のようなものと考えてください!
ったく、俺に長セリフ喋らせんじゃねえよ...疲れたぜ。
すみません、ユーマ様...。
俺も、寝てたのに叩き起こされてこんな茶番に付き合わされて眠いんだけど...。ふぁぁ...。...まあでも、悪い気はしない、か...。
シュウ...。まあ、確かに俺も悪い気はしねぇかな...。
...長々しく書いてすみませんでした!本編とは違うような関係になっていると思いますが、いつか二人がこうして昔のように仲良くなっていってほしいのが作者の願いです。ぜひ本編も続編とか新作を作ってこうした風になっていってほしいものですね笑それでは、また!!
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編集部コメント
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