へぇ...
丞が人狼かもしれないという、考えを頭の片隅に入れることにした。
初心者なのか分からないが、これでは人狼が有利になってしまうことを分かって、この発言をしているのだろうか?
さっきも言ったように、人狼が占い師になるには、ここで何人かの一人が占い師と名乗り出るしかない。
だが、そんな打ち合わせはされていないかもしれない。
すると、アイコンタクト...もしくは、「こいつが名乗り出そうだな」という勘で動くことになるはずだ。
だが、順番に名乗り出る方法にしてしまえば話は別。
人狼の中で、早く順番が回ってきたものが、占い師と名乗り出れば、他の人は名乗らなくていい。
ほかもパターンも同様だ。
問題は...丞が、こうする方法の意味を理解して、発言しているかどうか...
心愛の方に視線を向けると、私と同様で何か考えているようだった。
...初心者になりすました経験者は、もしかしたら私と心愛だけではないかもしれない……と。
見てよ...この空輝の時との差。
普段、クラスに馴染んでて好かれていた彼は、こうも優しい言葉を貰える。
それに比べて空輝は……
このクラスになって間もない私達だが、だいたいの人物像はそれぞれあるだろう。
...やはり、クラスメイトと人狼をプレイするのは、めんどくさくもあり、楽しいと感じた。
私の心は、緊張感と高揚感で高まっている。
楽しすぎて…頭がおかしくなっちゃいそう。
人狼はどう出る...?
心愛は...?
真輔は...?
...喜一は...?
ここからが、本当の人狼ゲームの始まりね、ふふ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!