第13話

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2018/04/04 01:52
丞(すすむ)
じゃあ、占い師か占い師じゃないか、順番に言っていけばいいんじゃない?



へぇ...



丞が人狼かもしれないという、考えを頭の片隅に入れることにした。

初心者なのか分からないが、これでは人狼が有利になってしまうことを分かって、この発言をしているのだろうか?


さっきも言ったように、人狼が占い師になるには、ここで何人かの一人が占い師と名乗り出るしかない。

だが、そんな打ち合わせはされていないかもしれない。

すると、アイコンタクト...もしくは、「こいつが名乗り出そうだな」という勘で動くことになるはずだ。

だが、順番に名乗り出る方法にしてしまえば話は別。

人狼の中で、早く順番が回ってきたものが、占い師と名乗り出れば、他の人は名乗らなくていい。

ほかもパターンも同様だ。




問題は...丞が、こうする方法の意味を理解して、発言しているかどうか...





心愛の方に視線を向けると、私と同様で何か考えているようだった。



...初心者になりすました経験者は、もしかしたら私と心愛だけではないかもしれない……と。






真輔(しんすけ)
...その発言は、人狼を庇っているのか?
丞(すすむ)
え?なんで僕が?
心愛(ここあ)
...あのさ、もっと考えて発言しろよな。
ここでの話し合いは、自分が吊られるか...死ぬか死なないかがの参考になっちゃうんすよ?
...危ない発言は、控えた方がいいっす。



見てよ...この空輝の時との差。


普段、クラスに馴染んでて好かれていた彼は、こうも優しい言葉を貰える。



それに比べて空輝は……

このクラスになって間もない私達だが、だいたいの人物像はそれぞれあるだろう。



...やはり、クラスメイトと人狼をプレイするのは、めんどくさくもあり、楽しいと感じた。



喜一(きいち)
...それってどういうこと?
真輔(しんすけ)
...順番にしてしまうと、人狼が占い師と名乗り出る場合、人狼の中の誰か一人を名乗り出すことが安易にできてしまう。
例えば、一番早く順番が回ってきた人狼Aが占い師だと名乗り出る。
すると、他の人狼B、Cは名乗り出なくて済むということ。
亜美(あみ)
...つまり、人狼に有利な方法ってこと。
苺(いちご)
へぇ〜...そこまで考えてなかった...
喜一(きいち)
確かに...じゃあ、全員下を向いて、せーので占い師は手を挙げるって方法はどう?
沙弥(さや)
まぁ目を瞑るだと、開ける人がいるかもしれないしね。
心愛(ここあ)
いいんじゃない?
亜美(あみ)
じゃあ、それでいこう。
喜一(きいち)
じゃあ...下を向いてください。


私の心は、緊張感と高揚感で高まっている。



楽しすぎて…頭がおかしくなっちゃいそう。



人狼はどう出る...?

心愛は...?

真輔は...?



...喜一は...?








喜一(きいち)
...それじゃあ、占い師は手を挙げて。









ここからが、本当の人狼ゲームの始まりね、ふふ。





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