プリ小説

第5話

はっぴーばーすでい~TH~2
テテ、が、轢かれた…?


この事実を私は受け止めることが出来ず、

ただただ、テテの側で、

涙を流すことしか出来ない。


〈おい、おい、おい!〉


誰かに名前を呼ばれた。


〈ちょっと君、放心状態。大丈夫?〉

〈とにかく、この人早く病院に運ばないと、死んじゃうよ!〉


死んじゃうよ!


その一言でやっと目が覚めた。


〈とりあえず、俺は救急車を呼ぶから、君はこの人の側にいてあげて〉


そう言うと、その人は、

携帯を耳にあて、救急車を呼んだ。




ピーポーピーポー…


救急車は呼んでから、3分ほどで到着した。

テテはストレッチャーに乗せられて、

救急隊員に意識を確認されている。

頭から血が出ている。


そんなテテの姿を見るのが嫌で、

私はテテから目をそらした。


〈大丈夫?〉


あの人が声をかけてくる。

辛い、辛い、辛い、辛い…


「テテのあんな姿見るの、辛い…」

〈もしかして、彼女?〉

「うん…」

〈それは、辛いね…〉




私たちを乗せた救急車は

5分ほどで近くの病院へと着いた。


テテはストレッチャーに乗せられたまま、

救急治療室へ運ばれていく。


「テテ…」


私は彼が意識を取り戻さないかと思って

彼の名前を呼ぶ。

でも、返事は返ってこない。


「テテ、テテ、テテぇ!!」


大きな声で叫んでも、

彼には届いていない。


テテの後を追いかけると、

看護師さんが、


看護師「ここから先は立ち入り禁止です。用があれば私たちの方から呼びに行きます。関係者の方は、こちらで待機していてください」


と言われ、私たちは救急治療室前の

椅子に案内された。





救急治療室にテテが入ってから、

2時間が経過した。

テテが轢かれてから2時間15分。


テテを治療して下さっていた医師が、

私たちの前に来た。



医師「キムテヒョンさんは、轢かれた時、頭を強く打って、出血がなかなか止まりませんでした。今は出血は収まり、目立った損傷も無いので、命に別条はありません。でも、意識が確認出来ていないので、最悪の場合は植物状態も考えられます」


テテ、が、植物、状態…


医師「キムテヒョンさんはICUに運んで様子を見ます。麻酔が覚める時間になったら、意識の確認をさせていただきます」


そう言うと、医師は、

私たちをICUに案内して、

その場を立ち去った。




「テテ、テテ、ねぇ、テテ」


何度呼びかけても、返事は返ってこず、

ずっと寝ている。


「起きてよ、テテ、起きて」

〈一旦落ち着こ〉


取り乱している私を

彼は止めてくれた。


「ごめん…」

〈いや、取り乱すのも無理はないよ〉

「私、テテに何もしてあげられない…」

〈そんなっ〉

「テテが自分と闘ってるのに、私は泣いてばっかで、取り乱して、最悪な彼女だよ」

〈彼は、頑張ってるよ。医師免許など、持っていない君はそんな彼に何も出来ないよ〉


そんなこと、分かってる。


〈でも、彼の隣にいてあげたら、僕はそれだけでいいと思う〉

〈何も出来なくても、側にいて、彼の力を信じてあげることが僕は大事だと思うな〉


私は何も分かっていなかった。

彼に言われるまで。



側にいてあげること。


テテを信じること。



そう心に決めて、


私はICUでテテの意識が戻るのを待った。
















「お願い、戻ってきて…」

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ひかり
ひかり
Maybe I'm in your maze. 過去作はこちらかプロフィールから。 ✏︎「王様」→完結 ✏︎「사랑」→不定期更新、短編 ✏︎「恋心の行き先」→連載中 ✏︎「ジョングク先生」→完結 ✏︎「Reader Canvas」→リクエスト小説