第11話

植物状態の妹~HS~1
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2018/03/02 10:45


『あなた、おはよう』



『今日は凄くいい天気だよ』



『新しく発売されたあのフルーリー美味しそうだね』










僕が話しかけても返事は返ってこない。



それもそのはず。












あなたは植物状態だから。

















あの時、僕がついていっていれば


今、この瞬間が変わっていたのか。




毎日、病室に入る度、

そう後悔を募らせていく。













あなたは高校生。


その日は体育祭の打ち上げだった。


親がいない僕たちは二人暮らし。

僕は大学生で車の免許も持っていたから

送ってあげようか?

と提案した。

でも、あなたは

友達と一緒に行くからと言った。



あんまり妹にベタベタなのはバレたくなかったし、

あなたに鬱陶しがられるのも嫌なので

あなたを送っていかないことにした。









「行ってきます」


『行ってらっしゃい。気をつけてね』






これが僕とあなたが交わした


最後の言葉。

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