プリ小説

第14話

桜ノ雨______(長いです)




屋上で手繰り描いた未来図。





下駄箱で見つけた恋の実。





窮屈で着崩した制服。





机の上の落書き。





どれもこれも僕らの証。












幼くて傷つけもした僕らは少しくらい


大人になれたのかな。



















出逢ったのは中学生の時。


転校してきた君に僕は興味を抱いた。



僕と仲のいい六人の同級生達は

みんなバスケ部に所属していた。

そして転校してきた彼女もバスケが好きだった。

でも、病気のせいで、部活には参加出来なかった。


そんな彼女と俺はある日、屋上で

一緒に昼ご飯を食べた。

その時、彼女はこう僕に言ったんだ。



「バスケ、上手いね」



って。

そんな事、生まれて初めて言われた。


やめてよ。自信もっちゃうから。


心に染み込んだ、その言葉は

今でも覚えてるよ。

その時、決めたんだ。



『俺、一番とるよ。バスケで』

「いい夢じゃん。応援するよ」



僕の未来図を彼女と一緒に描いた。

ここからが僕らの始まり。








それからあなたは

マネージャー代わりの仕事をしてくれた。

大会は必ず見に来てくれるし

差し入れも必ずと言っていいほど持ってきてくれた。

また、試合の動画などを撮って

俺たちに見せてくれた。

あなたの支えあってか、弱小だったバスケ部が

どんどん強くなっていった。





ある日の放課後

今日の練習にはあなたは来なかった。

まぁ毎日来てるわけでもないから。

そう軽く考えていた。


部活が終わって、下駄箱に行くと

そこには手紙を持ったあなたがいた。



『あなた?何してんの?』



後ろからあなたの手元を見ると

手紙の内容がちらっと見えた。



“部活終わったら、体育館裏来て”



内容を見たら馬鹿でも分かる。

告白だってことくらい。

しかもその相手が

あの6人の中の一人だということも。


頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

いつからか、自分で思って納得していたんだ。

あなたはいつか俺のものになるって。

でも、今行かせてしまったら

そいつのものになってしまうかもしれない。

嫌だ。



「ごめん。行かなきゃ」



俺には引き止める勇気も権利もないから

あなたは行ってしまった。









それからどうなったかは知らない。

噂も流れなかったし

告白が有名になることもなかった。

でも、どうせ付き合ったんだろ。

そうしか考えられなかった。



でも、それからも

何故かあなたはいつも練習に来た。

俺は顔も、声も見たくも聞きたくもないのに。

あぁ、そうか。彼氏目当てか。

じゃあ、来る理由も分かる。



俺はあなたをあからさまに避けるようにした。

顔を見たら、抱き締めたくなるから。

声を聞いたら、傍にいたくなるから。

それがあなたにとってはいい行動ではないから

我慢した。ずっと。

あなたもそれに気付いたのか

俺に近寄らなくなった。

そう。それでいいんだ。








最後の大会。

俺達は決勝まで駒を進めた。

今日は決勝戦の日。

昼飯を忘れてきたから最悪だけど。


そして決勝戦が始まった。

俺はスタメンで出た。

第1クォーターはリード出来ていたが

第2クォーターは少し追いつかれてきた。

そして第3クォーター。

俺は途中で相手チームに足を引っ掛けられ

押されて倒れた。

試合は一旦中断して、俺は医務室に運ばれた。

医務室に着くと

心配そうにこちらを見るあなたがいた。

こんな姿見せたくない。



「ねえ、大丈夫?」

『…うるさい』

「ねぇ何でそんなこと言うの。怪我してるじゃん」

『大丈夫だから、ほっといて』

「大丈夫じゃない。これじゃこれから…」

『ほっとけって言ってるだろ!黙れ』



つい、言ってしまった。

こんな姿見られたくなくて、

あなたに心配されるのが辛くて

顔を久しぶりに見て、声を久しぶりに聞いて

好きだって想いが溢れてくるのを抑えるのが

うまく言えなかっただけなんだ。



あなたは俯いて、医務室を飛び出した。



傷付けた。

でも、これであなたとの事は終われる。

俺にとっても、あなたにとっても

いいことだってその時は思ってた。

でも、違ったなんて…














[おい!!]



試合が終わったのか

チームの一人が医務室に入ってきた。

てか、怪我人前に、大丈夫も言わないのかよ。

酷いやつだ。と思っていたその瞬間だった。



[あなたが事故にあった]



いきなりの事で受け止める事が出来ない。



『…病院、病院連れて行ってくれよ!!』

[ちょっと待って…]

『早く!!!』








病院に着くと、処置をしてくれた医者が出てきて

詳しい事を伝えてくれた。



〈あなたさんはトラックに轢かれそうになった男の子を助ける為に男の子を突き飛ばしたそうです。ですが、あなたは突き飛ばした後、運悪くそのトラックに轢かれてしまいました。あなたさんはもともと身体が弱いこともあり、回復には時間がかかりそうです〉

『…何で助けたりなんかしたんだよっ…』

〈あぁ、それと、あなたさんが事故当時持っていたものです〉



そういうと医者は紙袋を渡してきた。

その中には

テーピング、痛み止めの薬、スプレー、

そして焼きそばパンが2つ入っていた。



『これはっ…』

〈君、足引きずってますよね。多分これはあなたさんが君の為に買ったものじゃないのでしょうか〉



一気に全身の力が抜け、座り込んだ

あなたは全部知っていた。

俺を助ける為に、急いで買って

そして、事故にあった。

もともと身体が弱いくせに

一生懸命走ったんだろう。

お前のことだから

男の子を見捨てられずに身代わりになったんだろう。

そう思うと、涙が収まることを知らずに

溢れだしてくる。



ごめんな。

分かってやれなくて。

素直になれなくて。



目の前の雨は桜色。


俺、お前を守れるようにもっと頑張るから。


だから、もう一度、出逢ってくれる?

いろんな出来事を重ねた場所で。


お前が好きだから。


もう一度の出逢いの為の別れと信じて

俺は過去の記憶に手を振った。












そして俺は

病院を後にした。





























三年後。


俺はあの事があってから学校に行かなくなった。

あなたに合わせる顔がなくて。

でも、もう俺は大丈夫。

なんたって

BリーグのBTSチームのエースだからね。

もう、あなたを傷付けたりしないはず。





今日は同窓会。

懐かしい教室で、学生時代の仲間と顔を合わせる。



[お前、エースだろ?すげぇなぁ]

(なぁサインしてよ!)

《ねぇ写真撮ろ?》



みんな学生時代の態度とは全く違う態度で

まるで掌返したみたいに接してくる。

まぁ、拒否はしないけど。



〈おーい〉



ふと声をかけられて、振り向くと

そこには一緒にバスケをしていた6人がいた。



『おう。久しぶり』

〈久しぶり。お前も変わってないなぁ〉

『どうも』



あの事故の日、聞いたんだ。

あなたと付き合ってるのかって。

でも、あなたは振ったらしい。

理由は教えてもらえなかったけど。



〈そういやさ、今日あなた来るの?〉



心臓の鼓動が大きく跳ね上がった。

まだ好きなんだと気付かされる。



〔それ聞いちゃう?〕

〈聞いちゃうでしょ〉

〔あーあ残念。お前の為に秘密にしておこうと思ったのに〕



そしたら俺は指をさされた。



『え?何?俺?』

〔まぁいっか。入ってきてよ〕



そう言われて教室の戸を開けたのは













「久し振り」



それは俺が恋をしていた人物。

あなただった。











傍から見れば、俺達はただの友達にしか過ぎない。


多分俺らだってそう言う。


“友達だ”って。





でも、幾千の学び舎の中で

俺達が出逢えたのは奇跡だ。


君がもし転校してこなかったら

君がもし告白を了承していたら

君にもし冷たくあたっていなかったら

君をもし避けていなかったら

今の未来はない。


傷つけ、傷つき

この現実がその時嫌だったとしても

いつかの幸せはそこからやって来る。

その幸せを黙って待つしかない。






























『今何してるの』

「普通のOL」

『彼氏は?』

「いないよ。てかつくれる訳ないじゃん」



久し振りに聞いたこの声に

胸が高鳴る。










「あのね…」


『あのさ…』




声が重なり、笑顔が零れる。




「『ずっと好きだったよ』」





僕らはまたここで出逢った。

そして未来を重ね合わせた。



end___











長くなってしまい申し訳ありません。

あとまとまってませんね。

卒業シーズンだったので書こうと思っていたら

いつの間にか入学シーズンに…

マイペース過ぎますね笑

治しますね!!



あと、最近全く更新出来ずごめんなさい。

実はいろいろあって

プリ小説を辞めようかと

考えていた時期もありました。

でもまだ作品が途中なので

更新できる時は更新していこうと思います。

なので辞めるとなると

今のシリーズ物が終わったらかな?と思います。


勝手にごめんなさい。

でもまだ辞めると決まった訳では無いので

これからもひかりの作品を応援して下さると

嬉しいです。


以上、ひかりからでした。

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ひかり
ひかり
Maybe I'm in your maze. 過去作はこちらかプロフィールから。 ✏︎「王様」→完結 ✏︎「사랑」→不定期更新、短編 ✏︎「恋心の行き先」→連載中 ✏︎「ジョングク先生」→完結 ✏︎「Reader Canvas」→リクエスト小説