第9話

部活動体験 6
229
2018/02/18 00:00
夜瑠
じゃあまず、体験する楽器を
決めていこうと思いまーす
ドラムやりたい人ー
みんな
はいっ!!
夜瑠先輩がドラム希望者を確認すると、
私と真穂以外、全員が手を挙げた


そりゃあ、人気の先輩だって言うもん

当たり前だよね



とゆうか完全に、ドラムじゃなくて
夜瑠先輩目的になってないかな……?


夜瑠先輩はというと……






……うわ、



あからさまに顔が曇っている


夜瑠先輩自体は、ドラムに興味を持ってほしいんだもんね




天然でもやっぱりこういう事には気づくのかな


女子のキラキラした目の意味とか

その他もろもろ



夜瑠先輩も、そこまで鈍感じゃないらしい
芹那
じゃあ、そっちの2人はこっちで鍵盤を────
そう言って、芹那先輩が私たち2人を鍵盤楽器が
たくさん置いてあるところに呼ぼうとした時、
夜瑠
ちょ、待って、さっきのなし
やっぱりそっちの子、来て
と、夜瑠先輩が誰かを呼ぶ声がした
真穂
ほら、あなた!
あなた

え?なに?

今から鍵盤のとこ、行くんじゃないのかい?
真穂
何って!夜瑠先輩からお呼ばれ。
え?
あなた

なんで!?

さっき言ってたそっちの子って!!


私の事だったの?!
あなた

む、むむむむ無理だよっ!
お、おと、男の人と2人なんて!

真穂
2人って、んな大げさな……
部室内でやるんだし、周りには私も、みんなもいるって
そういったって、結局は
1対1で話すことになるわけで……!


ほんと、話せないんだから!!!
夜瑠先輩、自分勝手がすぎますよ
この子も、困ってますから
鈴先輩っ……!

私にはあなたが神々しくて直視することがてきません……!



バリバリ直視していますが……

でも、鈴先輩、本当に神様……!
夜瑠
でも……ごめん、やっぱ、無理
お願いします……来てください
夜瑠先輩!!
そこは腹をくくりましょうよ!!


私が犠牲になるのは勘弁してください……



でも、先輩、敬語使うくらいだからよっぽどだめ……なのかな?


流石に可哀想……かな?



というか、ここまで言われてしまったら、
やらない方が後から痛い目に会いそうだ



みんな
………………




皆さん目が据わってらっしゃる

……こわいです






っもおーーーっ!
あなた

変なこと言っても、笑わないでくだひゃ……!

ま、また!!


かんだっ……!




顔にどんどん熱が集まっていくのがわかる



笑わないでくださいって言おうとしただけなのに……!
夜瑠
っ…………!






あの、夜瑠先輩。

私の言ったことを守ろうとしてくれてるのは分かります



でも、そんなに笑いこらえようとしなくていいです……


逆にダメです、それ




もう、




穴があったら埋まりたい……
あなた

っ…………

顔を真っ赤にしたまま、夜瑠先輩のいるドラムのところに向かう



あんなに笑うことないじゃんっ……!
夜瑠
あー、と、ごめん、つい
あなた

ついじゃないです……!
私言いましたよね、笑わないでくださいって……!

私の顔、今、絶対、見られたもんじゃない


すっごいことになってそうだ



だからもう、下を向いてるしかないんだってば

こんな顔、夜瑠先輩に見せらんない



絶対笑われるに決まってる
夜瑠
ごめんごめん
でも、来てくれて本当に助かった




……笑われる……って

そう思ってたのに


予想に反して、夜瑠先輩は、
穏やかな笑顔を向けて、また私の頭をポンポンと撫でた
夜瑠
ありがと
あなた

っ…………!

なんだろ、この感じ……


なんか、なんか
モヤッとした感じ……


顔、もっと熱くなってくるし……!


心拍数も異常だ




え?!私、病気かなんか、かかってるのかな!?

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