部活動体験後、終礼を終え、
私は真穂と帰り道をとぼとぼ歩いていた
今日はトランペットパートを合わせ、
合計で4パートを回った
トランペットはマウスピースが
なかなか鳴らない
低音のチューバも同様
ホルンに関しては
マッピ(マウスピース)さえ
まともに鳴らすことができなかった
かろうじてトロンボーン、ユーフォだけ、
なんとか音を出すことが出来たのだ
さすがにここまでダメダメだと
心も折れる
そうやって私に説教くらわす真穂は
トランペットの体験で、開始1分
なんと、ハイC(ツェー)まで
出してしまったのだ
吹奏楽では音階
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドを
C(ツェー)、D(デー)、E(エー)、F(エフ)、
G(ゲー)、A(アー)、B(ハー)、C(ツェー)
とドイツの読み方で読んでいる
中でも基準となる音はBに♭(フラット)
をつけたB♭(ベー)の音だ
それの1オクターブ上の
さらに上の音を出したんだから
本当にすごい
紀伊先輩も他のトランペットの先輩も
真穂の才能には目をむいていた
そう、だと思いたい……
でも、出来ないからって
あきらめたくはない
自分でやるって決めたんだ
よし、
明日は絶対
楽器鳴らしてやる!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。