「おはよー」
「おっはー超眠い」
嗚呼うるさい。朝からよくそんな大きな声出るよな。
なんて声に出したら相当冷たい目で見られんだろうな。
そんなことを思いながら学校の玄関に入り靴を脱ぎ、上から3番目の私の名前が書いてある下駄箱に
靴を入れ室内履きに履き替え、教室のある4階に階段を上り向かった。
「キャハハ!マジで!?」
静かな2階の前の階段まで聞こえる1年生か2年生かわからない生徒の笑い声。
受験を控えた3年は暗い面持ちで勉強したり本を読んだりしてとても静かなせいかとても小さな音でも
響くので低学年の笑い声にイラだったのか「チッ。」という一人の生徒の舌打ちが聞こえてきたので
つい、その切羽詰った空気に笑ってしまいそうになりながら階段を上って行った。
教室に入るとさっき通った二階の廊下と別世界のような騒々しさで頭がおかしくなりそうになる。
入ったドア近くの後ろの席ではカップルの男女が抱き合ってイチャイチャしながら会話をしてたり、
漫画を読みながら盛り上がる男グループにその中の男性に興味があるのかチラチラ見る女の子がい
る女グループがあり、メイクの話で盛り上がるグループ、アニメの話で盛り上がるグループなどと
にかくいろいろいる普通の教室によくある漫画の主人公のようなマスクを着け前髪を片目にかけた
地味な私が窓側にある自分の席へと向かう。
席へ着くと鞄からペンケースとノートを取出し教科書が常に入っている机の中へしまう。
「おーい席につけ―」
チャイムとともにすでに開いていたドアから担任が教室へ入ってくる。
そして退屈な担任の話とともに私は夢を見ようと目を閉じた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。