第8話

はち。
8
2017/12/26 19:48





――「見えテキたネ、あそコが僕タちガ向かッテる町だヨ」

まだ遠いからよくは見えないが大きな観覧車のような大きななにかが
あるのはわかる。町ってゆうか遊園地なのかな、と思いつつもいつも
のように声に出さないでいた。
聞かなかったことにしてほしいと頼んだからか思ってることに対して
チルは何も言わなくなった。




町とやらに近づいてきたようで、幼くはしゃいでいるような甲高い声
や、なにかやらかしたのかそれを注意する少し低めの男性の声が聞こ
えてきた。しかし何を言ってるのかよくわからない。
その声が近づいていくように町に向かって歩いていくと大きな門が見
えてきた更に近づいていくと見た感じ木で作られていて上のほうには
わけのわからない文字のようなものが描かれていた。

「読めない…」

「文字ダって分かッテくれタんだネ、コレはユチェ町って読むんだヨ」

ユチェ町って名前の町なのか。にしても変わった名前の町だな、そう
思いながら門をくぐって町に入っていくとやっぱり何を言ってるかわ
からない言葉で会話をしている人たちがそこらじゅうに屯している。
周りを見渡しているとチルは右側にある外にいろいろな種類と色の花
が置かれた、花屋のような建物に入って行った。

「・・・・・・・・・・・」

チルはなかにいた誰かと会話しているのだろうかまたわけのわからな
い言葉が聞こえてきた。
そろそろこの意味の分からない言葉を聞くのにイライラしてくる。
そう思いながら建物の外で待っていると話が終わったのか建物の中か
らチルと40代くらいの後ろにお団子縛りをしている女性が出てきた。

「こノ人はココでお花屋さンをシテるウィリムさんダヨ。皆からはウ
ィリムおばサンと呼バれテルから君モ呼んデネ」

チルはそういうとウィリムおばさんは何を言ってるのかわからないの
かずっと笑顔で私のほうを見ている。

「あァ、ゴメんネ、とりアエずコレ飲んデー」

チルがそういってウィリムおばさんの顔を見るとウィリムおばさんは
左の手のひらに乗っている小瓶を私に向かって見せた。

見るからに怪しい。
アリスてきなアレか?体が大きくなっちゃったり小さくなっちゃった
り…

「そウいうアレじゃナイよ、本当に君ハ面白いネ」

とりあえず受け取って見ると透明の瓶なので中の液体がピンクなのが
すぐわかった。

「え、じゃあなんの液体…?」










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