第26話

偽能力者
673
2020/07/17 09:00
今回、結構長文だったり難しい箇所が沢山あると思いますので、よく分からないところがあればコメントで教えて下さると嬉しいです。

作者の語彙力が足りず申し訳ないです🙇‍♂️



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チョロ松
チョロ松
能力を持っていること
ゆう
ゆう
…能力?
あなた

能力って、うちらの持ってるような?

チョロ松
チョロ松
そう。まぁ、本物では無いんだけどね
あなた

本物じゃないって、どういうこと?

チョロ松
チョロ松
そのままさ。偽物の能力をアイツらは手に入れたってこと
ゆう
ゆう
…どうやって?
チョロ松は少し話すことを戸惑ったようだったが、直ぐに二人の目を見た。
チョロ松
チョロ松
…向こうの世界にもデカパンがいるんだけど
あなた

そうなんだ!

チョロ松
チョロ松
向こうの世界のデカパンが、アイツらに能力を手に入れる薬を打ち込んだんだよ
ゆう
ゆう
…そんな薬…つくったの?
ゆうは目を細めて聞き返す。
おそ松
おそ松
いーや、現時点で一から能力手に入れる薬をつくることは不可能とされてる
あなた

え?じゃあ、どうやって…

チョロ松
チョロ松
………Lump
ゆう
ゆう
……
何かを悟ったのか、ゆうは一層険しい顔で下を向いた。
あなた

…え?それって、どういう…

おそ松
おそ松
Lumpの価値は能力者・・・を使えること、そしてもう一つは能力・・を使えること。
おそ松
おそ松
Lumpから摘出した成分が身体に入った生き物は、その能力を手に入れることができる
トド松
トド松
……そのLumpの持ち主よりは劣るけどね
おそ松
おそ松
そう。必ず同じだけの力を使えるわけじゃない。少し弱くなっちゃうんだけどね
ゆう
ゆう
……………
あなた

………それって、つまり…能力者を殺して臓器を奪ってるってこと…?

拳を握りしめているゆうの横で、あなたはおずおずと質問する。
おそ松
おそ松
そういうことっ
まぁ、ごく一部臓器提供としてLumpをやるやつもいるけど、そうするとその能力者にはデメリットしか残らない
ゆう
ゆう
デメリット?
おそ松
おそ松
そう。その能力に合った身体をして生まれてきたのに、Lumpが無くなり能力も使えなくなる。ってことは、身体が反応を起こすんだよね
おそ松
おそ松
Lumpは能力の塊だけじゃなくて、普通に他の臓器を支える役割をしてたから身体がLumpの代わりを急に頑張ろうとしちゃうわけ
おそ松
おそ松
そうすると、大半の人間は死ぬ。それか、よっぽど強いやつは脳死、又は病院で寝たきりとか
あなた

なのに、、臓器提供する人がいるの?

十四松
十四松
臓器提供する人は多分その事を知らないか、脅されてやったかとかだと思うよ
トド松
トド松
…大金をやるから、とか、家族を殺すぞとかね
あなた

っ………!

一瞬怒りが湧き上がるが、慌てて自分の中で留まらせる。
チョロ松
チョロ松
まぁ、でも、アイツらみたいに自分自身が能力者になろうとするやつもごく一部だけどね
ゆう
ゆう
そうなの?
チョロ松
チョロ松
うん。Lumpを提供する側もだけど、Lumpを摂取する側にもデメリットはあるんだ
チョロ松
チョロ松
さっきもおそ松兄さんが言ってたように、Lumpは他の臓器を支える役割も持っているから無くなると困るけど、能力を持たない人間はLumpが不必要な身体で生きてきたわけだから、いきなりLumpの成分を加えられたら副作用が凄いんだよ
チョロ松
チョロ松
まず摂取した瞬間、強烈な吐き気と頭痛、目眩に幻聴・幻覚。
それに耐えられないやつはそこで命を落とす。
ゆう
ゆう
…っ
チョロ松
チョロ松
そこを乗り越えても1ヶ月は身体の不調が続くね。手足の痺れ、腹痛。吐き気と目眩、頭痛はずっと続いたまま。
チョロ松
チョロ松
それが1週間続くだけでも中々精神がもたないからね、自ら命を絶つやつがほとんどだよ
チョロ松
チョロ松
…それを耐えると、ようやく能力が使えるようになるわけ
あなた

そ、それでも、実際使える能力は弱いわけでしょ?なのにどうして…

チョロ松
チョロ松
まぁ、世界には色んな能力があるからさ、自分で使った方が効率のいい能力とか、自分自身じゃなきゃ役に立てられない能力があるんだよ
チョロ松
チョロ松
どうしても自分で能力を使いたい奴らがいるみたい。あとは能力者自体が命を落としたケース。
十四松
十四松
能力者を奴隷みたいに使うやつらがいるんだ……
十四松はバットに手を置き、悲しそうに呟いた。
あなた

…………

おそ松
おそ松
ってーなわけで、あなたとゆうをそんな目にぜってー会わせたくないから、手紙をよこしたってわけ!
おそ松はそう言い、明るく務めた。
あなた

ありがとうおそ松…!みんな…!!

ゆう
ゆう
…なんか腹立つな…
十四松
十四松
え?
ゆう
ゆう
だって、あいつらは他人の臓器を奪って能力を持ってるってことでしょ?
拳を握りしめ、わなわなと体を震わせているゆう。
あなた

…そっ、か……

トド松
トド松
チョロ松
チョロ松
おそ松
おそ松
あなた、ゆう
おそ松は、懐から煙草を取り出す。
あなた

…?

ゆう
ゆう
…なに?
おそ松
おそ松
…ここはな、もう日本じゃないんだよ
ライターから出た赤い炎が、細めたおそ松の瞳に反射する。
あなた

う、うん…

おそ松
おそ松
ここら一帯は特に、マフィアしかいねえ荒れた町だ。警察が厳しく取り締まってくれることもねぇし、法律を律儀に守る優しいやつも少ねぇ
ゆう
ゆう
おそ松
おそ松
ましてや殺人、人が死ぬなんて日常茶飯事なんだわ
ライターを懐にしまうと、煙草を咥え、暫くしてから白い煙を吐き出した。
あなた

……

おそ松
おそ松
…お願いだから、警戒して過ごしてくれ
彼の瞳が二人を捉えた。
あなた

………

ゆう
ゆう
………

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