第25話

世界線
659
2020/07/12 13:20
《松野ファミリーアジト》
ゆう
ゆう
…っと。さて、落ち着いたところで全てを話してもらおうか?
アジトに着くや否や、ゆうはソファのど真ん中にドカッと腰を下ろし、足を組んだ。
トド松
トド松
おそ松兄さんの100倍溢れ出るボス感…
おそ松
おそ松
否めない…!!
十四松
十四松
あなたの100倍落ち着いている…
あなた

うるさいな!笑

チョロ松
チョロ松
いやこの状況でボス感が溢れ出てるのはおかしいでしょ…
ゆうはガッツポーズをして立ち上がった。
ゆう
ゆう
いやなんか、焦りより…楽しかった!✨
あなた

えぇ!?

ゆう
ゆう
最初は十四松のハチャメチャにびびったけど…飛んだり走ったり!スリル満点で楽しかったー!
ありがとう十四松!守ってくれてっ
十四松
十四松
あいっ!楽しんでくれてよかったっす!!
十四松はニコッと笑った。
トド松
トド松
むぅ…僕が先に行けばよかった…
チョロ松
チョロ松
トド松が乗り込んでても絶対捕まってただろ。
トド松
トド松
はぁ!?舐めんなしっ!!!
ゆう
ゆう
ねーえ!いいから事情説明してよ!!
おそ松
おそ松
あ〜はいはい、俺からするね〜ん
おそ松は手を上げると、ゆうの向かい側に座った。
その隣にチョロ松とトド松、ゆうの隣にあなたが座り、十四松は背中から取り出したバットを手に持ち素振りを始めた。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈







ゆう
ゆう
うーん…頭が痛くなりそう…
ゆうはこめかみを抑えて頭を抱える。
おそ松
おそ松
まっ、そうだよね〜んw
ゆう
ゆう
…臓器?人身売買?別世界の6つ子…?
あなた

そうだよ!そこが一番意味不明なんだけど…。
どうして全く同じ六つ子が2組もいるの?

チョロ松
チョロ松
うーん…それは話すと長いな…
二人からの疑問に、チョロ松は腕を組んでうーんと唸る。
ゆう
ゆう
落ち着いたんだから今のうちに話してよ!
チョロ松
チョロ松
わ、分かったよ…💧
チョロ松はその場で腰を浮かして座り直し、咳払いをした。
チョロ松
チョロ松
えー、まぁまず疑わずに信じて欲しいのは、あの六つ子はこの世界線の六つ子じゃないってこと
あなた

えっ…せ、世界線って、よくアニメとか漫画であるみたいな?

おそ松
おそ松
そう。この世界線、つまり今この世界に生きてるのは俺ら六つ子で、あっちの六つ子は裏の世界、別の世界線の六つ子ってこと
ゆう
ゆう
ってことは…あっちのおそ松もこっちのおそ松もおそ松だけど…
あなた

…別のおそ松ってこと?

おそ松
おそ松
まぁ、そうなるね〜
十四松
十四松
あははっ!いつ聞いても意味わかんないゼッ!
十四松のバットがブンブンと音を立てて、すぐ側に座っているトド松の髪の毛がふわふわと浮いている。
チョロ松
チョロ松
そうなんだよね…笑  慣れはしたけどいつまでも意味は分からないよね……
トド松
トド松
ホントだよ〜
しかも気持ち悪いしね!
ゆう
ゆう
自分と同じ顔見るのしんどそう…笑
あなた

わ、わかった!信じるよ!

まだ状況を呑み込めていなさそうな二人だが、あなたのその言葉にゆうも同じく頷いた。
おそ松
おそ松
んん〜〜!あなたならそう言ってくれると思ったよ〜
おそ松は、机に乗っかってあなたの手を握りしめる。
あなた

ちょ…!くっつかないで…!!

チョロ松
チョロ松
はいはい。せっかくの機会だし、二人にはまだここに居てもらうことになるからある程度の話はしておくね
チョロ松は溜息を付きつつ、おそ松を自分の横に引き戻した。
チョロ松
チョロ松
まず、僕らとあいつらの見た目は全く一緒だけど、違う点がいくつかあるんだ
チョロ松
チョロ松
一つは、力と…
チョロ松は自分の人差し指を、自分のこめかみに当てた。
チョロ松
チョロ松
…ココ。
ゆう
ゆう
…頭?
チョロ松
チョロ松
そう。あいつらは比較的筋力が僕らの1.5倍ある。多分それは、あいつらの世界線の人間はそういう構造になっているせいだと思う。
あなた

そんなことあるんだ…

チョロ松
チョロ松
そう、そして代わりに僕らはあいつらの約1.5倍、知能が発達している。
十四松
十四松
そう!あっちの僕は、僕より頭悪いんだよ〜!バカバカ〜!!
ゆう
ゆう
だからあの時私の事逃がしちゃったのか…
トド松
トド松
ん?ゆうのこと見てたのあっちの五男なの?
ゆう
ゆう
そう。縄で擦れて痛いって言ったら紐解いてくれて…
トド松
トド松
えっ!?大丈夫!?怪我したの!!?
トド松は少し腰を浮かせて、ゆうの方を見る。
ゆう
ゆう
いや、嘘なんだけどね…
トド松
トド松
嘘かいっ!!!!
ゆう
ゆう
そしてそのまま紐持って絆創膏取りに行っちゃってさ、その内に逃げれたよ
十四松
十四松
馬鹿だね馬鹿!
十四松はアハハハハと、盛大に笑った。
おそ松
おそ松
…いや、こっちの十四松もやりそうだな…
十四松
十四松
そんな馬鹿なことやんないよ!!
頬を膨らませて、地団駄を踏む十四松。
あなた

と、とりあえずおっけー…!結構複雑なんだね…

チョロ松
チョロ松
そうなんだよね…僕達も最初は戸惑ったよ。
トド松
トド松
向こうのカラ松兄さん、普通に車一台持ち上げるしね…
あなた

げっ!?

トド松
トド松
向こうの十四松兄さんはトラックもいける…
あなた

げぇっ!?

チョロ松
チョロ松
少しこっちの世界と比べると人間離れしてるんだよね
あなた

やっば…

ゆう
ゆう
他に、こっちの六つ子と違うとこはないの?
チョロ松
チョロ松
そうだったね。一つはそれで、もう一つ、それは……





















チョロ松
チョロ松
能力を持っていること。

プリ小説オーディオドラマ